1 | 新しいプラットフォーム(の展開)は任天堂主体で秋頃に始めるということだったが、任天堂のIPを使ったゲームタイトルはいつ頃、どのような形で出て、どちらが主体でやるのかを教えてほしい。 |
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任天堂株式会社 取締役社長 岩田 聡: 個々のゲームタイトルがどんなもので、いつ開始なのかは、具体的には、個々のタイトルの準備ができた段階で順次お知らせしていくことにしたいと思っていますが、少なくとも、今年中に全くアウトプットがないというようなスピード感では業務提携をする意味がございませんので、今年中には何らかのアウトプットを一緒に出していくことになると思います。 株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役社長兼CEO 守安 功: そうですね、まず役割分担については、両社の強みを活かす形になると思っていますので、多くの場合はフロントサイドのところを任天堂さんにつくっていただいて、私たちはサーバーサイドやバックエンド、運用などのところを担当することが多くなると思っています。ただ、その辺りもIPのタイトルについて「どういうタイトルでどういうゲームにしようか」ということから考えて役割分担を決めていきますので、どういう役割になるのかはタイトルごとに変わってくることになると思います。 岩田: 多くの方がお分かりだと思いますが、念のため誤解のないように申し上げておきますと、「フロントサイド」というのは、お客様がスマートデバイスで実際に操作する、スマートデバイス上で動くアプリの部分ですね。これは、任天堂が(ゲームの)手触りのような部分をつくることに関してはノウハウがたくさんありますので、私たちがやる方がお客様にとって競争力があるだろうと考えています。逆に、ウェブサービス、サーバー側、あるいはお客様の行動分析といった部分ではDeNAさんに知見がたくさん貯まっていますし、そこから得られるデータを素早く分析して、次にどのようにサービスを進化させていくのかという分析能力はDeNAさんが非常に高くお持ちですので、そういう分担をする割合が高いだろうと考えてください。 |
2-1 | 発表の途中、「今までスマートデバイスのゲームを出さなかったのはいくつか課題があったからだ」というお話で、「答えが見つかった」と岩田さんが言っていたが、その答えというのはどこにあるのか。 |
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岩田: 一つは、非常にシンプルなことなのですが、「同じゲームを両者(スマートデバイスとゲーム専用機)に出さない」ということです。「別のデバイスにあったゲームをスマートデバイスにシンプルに持っていく」という事例は今までも多かったのですが、では「元のデバイスが持っていた最高の体験をそのまま提供できているのか」というと、必ずしもそうではありませんでした。確かにゲームを触っていただくお客様は増えるのですが、お客様の満足が十分得られず、お客様の満足が得られないとすれば、たくさんの人に「このゲームはあまり満足できない」とお伝えしているだけになってしまうので、価値が下がってしまいます。あるいは、同じものを両者に展開すれば、両者のビジネスモデルの違いからくる価格帯の違いが非常に鮮明に見えてしまって、お客様からすると納得がいかないというような、いろいろな課題があったと思います。 |
2-2 | (スマートデバイスの)コンテンツの消費についていうと、いわゆる「ガチャ」というどんどんお金を稼いでいく方法で消費が速くなっているという考え方もあると思う。ある種の射幸心を煽っていると言われがちなこの方法に対して、岩田さんはどのように考えているか。 |
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岩田: この(任天堂とDeNAが協業の上で発売する)アプリが任天堂のIPを活用してお客様に提案される以上、当然のことながら、「協業の上で任天堂が納得しない方法でお客様とビジネスをすることはあり得ない」と思っていますし、「それは両社合意の上で決めていきましょう」ということは十分に合意できています。その意味で、私たちは「お客様に安心してご提供できる、お客様が納得して扱っていただけるもの」をつくっていきます。 |