本日は、お忙しい中、当社の経営方針説明会にご参加いただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。
今日は、まず、昨日発表の第2四半期決算についてその概要をご説明し、その上で、世界のゲーム市場の現状分析や、この年末商戦の展望についてお話をさせていただきます。その後で、みなさんからご質問をお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
2010年3月期の中間決算における連結業績についてご説明いたします。当中間期の売上高は5,480億円となりました。前年同期は、Wiiハードの売上を強く牽引するソフトが期初から揃っていましたが、当中間期は有力タイトルが少なかったこと、為替がドル円で10円強、ユーロ円で30円弱円高となりその影響が約860億円出たということ、Wiiハードの値下げを行ったことなどから、前年同期対比で2,888億円の減収となりました。営業利益、経常利益、中間純利益にも同様の影響があり、それぞれ1,043億円、1,106億円、694億円となり、減益となりました。
次にこの連結業績の実績を、5月に発表した業績予想との比較に基づきご説明します。
当中間期の売上高は、7,000億円の予想に対し、5,480億円となりました。営業利益は予想の1,650億円に対して1,043億円、経常利益は、予想の1,700億円に対して1,106億円、中間純利益は、予想の1,000億円に対して694億円となりました。予想を下回る結果となったのは、主にハードの売上を強く牽引する有力なソフトを継続して発売できなかったことや、Wiiハードの値下げなどによります。
今日は、まず最初に、日本、アメリカ、ヨーロッパ主要国における市場の現状からお話ししたいと思います。
当社のゲーム人口拡大が、まず携帯型のニンテンドーDSから始まり、それに据置型のWiiが続いた、という流れがあったことから、いつも携帯型から先にお話をしているのですが、今年は、据置型市場の変化がより大きく市場に影響していますので、据置型の話から始めたいと思います。
こちらは、日本における今年1月から直近週までの、据置型ハード販売数の過去3年間の推移です。2006年末までに各社のハード3種類が出揃い、2007年には非常に大きな市場になっていましたが、昨年、今年と、据置型ハードの販売台数は縮小しています。特に今年は、Wiiの落ち込みが大きく、昨年の約半分のペースになっています。これに対して、ソニーさんのPlayStation3の台数が昨年に対して約50%アップしていますので、両者の勢いが好対照に報じられています。
これは、アメリカ市場における2007年から2009年までの1〜9月の据置型ハードの販売台数をNPDデータを用いて比較したものです。2007, 2008年と2年続けて大きく伸びた据置型ハードの販売台数ですが、今期は、前年割れとなってしまいました。ただ、日本とはかなり推移が違うということはおわかりいただけると思います。マイクロソフトさんのXbox360以外は、全て前年割れとなっています。
販売シェアで見ると全体が減っているため、Wiiの販売シェアの落ち込みはあまり大きくはありません。ここには、Wiiの値下げをしてから、まだ1週間分の数値しか反映されていませんので、これからの商戦期でぜひ挽回を図りたいと考えていますし、十分、それが可能であると考えています。
これは、2007年から2009年までの1〜9月の据置型ハードの販売台数を、イギリス、フランス、ドイツ、スペインの4カ国の各国の調査会社が発行しているデータを任天堂で集計して比較したものです。昨年もお話ししましたが、ヨーロッパ全体の市場のうち、この4カ国の市場規模は、75%から80%程度と言われています。これら4カ国の集計結果でヨーロッパ市場の傾向をお話ししたいと思います。また、グラフの見やすさだけをとりますと、スケールを変えたほうが良いのですが、アメリカとヨーロッパの市場規模の差を実感していただくために、スケールをアメリカと揃えてあります。日本で同じことをしますと実は日本のグラフが非常に小さくなってしまいますので、別のスケールにしています。 全体的な傾向としては、アメリカとほぼ同じですが、Wiiハード販売台数の減少は、アメリカ以上に厳しいものがあります。また、ソニーさんもPS2, PS3は共に前年対比でマイナスです。