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2012年1月27日(金)経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会
質疑応答
Q 3

 3DSとWii Uに関して、ダウンロード販売も視野に入れているという話があったが、PS Vitaのようにパッケージとダウンロード販売で価格差を設けるのか、あるいは発売時期に差を設けるのか。流通側、小売店に関しては、パッケージソフトの販売減と、販売機会の減少に直面するわけだが、そもそもダウンロード販売が広まることによって、流通の販売機会の減少という事態を招く可能性があるのかどうか、その点についてどう感じているか。

A 3

岩田:

 今日申し上げたのは、「パッケージソフトとして販売するような大きな容量のソフトをダウンロード販売するための仕組みは、システム的にはもう準備が終わっています」ということです。従って、やろうと決めたらいつでも始められる状態にあります。そしてこの仕組みは重要性が高まって、今後必要になってくると考えているから用意しており、「任天堂は永遠にこういうことをしないということではないですよ」ということも含めてお話をいたしました。一方で、ではどう売るのかについてですが、先ほども申し上げたように、流通さんとどういう協力体制がつくれるのか、私は、単純に「ダウンロード販売は流通さんにとっての敵」というポジショニング以外にいろいろな答えがあるように思うのです。ですから、実際にどのような形にするかは流通さんともよくご相談をさせていただいて、その上で決めていきたいと思っていますが、今日の時点で価格差がどうなるのか、時期がどうなるのかということについては、お話しできる材料がありません。現状でパッケージソフトというのはメーカー希望小売価格で売られているということは少なく、ある程度値引きされて売られるケースが多くなっていますので、メーカー希望小売価格とダウンロード販売の価格が全く同じだと競争力がないではないかという議論もあります。ではどのような差をつけたらいいのかということについて、ダウンロード販売価格を安くし過ぎれば違う問題を生みますし、高くし過ぎれば誰もダウンロードでは買わないということになりさまざまな問題がありますけれども、この点も含めて、これは始めるときに「任天堂はこうします」と申し上げるべきで、今いろいろと申し上げても、決まっていないことを申し上げてそれが憶測で広まっていくということで良い影響を生むとは思いませんので、これ以上は申し上げられません。ただ一つだけ申し上げておきたいのは、私たちは「ダウンロード販売イコール流通さんの敵」ということだけではない答えがあるはずだと考えています。その答えを見つけると、双方にとってプラスの、より面白い未来が待っているのではないかと思います。

Q 4-1

 課金に関して、「ソフトメーカーとしての任天堂は」という形で何度か説明いただいているが、プラットフォームとしての課金ができるようにすると、各サードパーティーさんがいろいろそれを使えるようになる。その場合、必ずしもお考え通りの使い方がされるとは限らず、いわゆるソーシャルゲーム型の課金というのも当然選択肢に入ってくると思うが、結果として任天堂のハードを使うお客様はそこに接触する。それに対して、ハードウェアメーカーとしての任天堂とソフトメーカーとしての任天堂を統一する立場として、どういうスタンスで考えられているのかを教えてほしい。

A 4-1

岩田:

 まず、プラットフォームの持ち主、ハードウェアメーカーとしての任天堂は、ソフトメーカーさんになるべく自由な機会をご提供するのが良いと思っています。過去に私たちが決めたガイドラインやレギュレーションの中で、「それは厳し過ぎるのではないか」、「時代に合っていないのではないか」、あるいは「十分に納得しているお客様を対象にしたソフトまで過剰に制限し過ぎるのはいかがなものか」といったご指摘もありましたので、今回、ニンテンドー3DSあるいはWii Uで「ニンテンドーネットワーク」対応のものを考えていくときに、私たちとしては、お客様にあまりに不利益というようなことがあれば別ですけれども、お客様とソフトメーカーさんが共に納得されてやりとりされる関係ということが保たれるのであれば、比較的自由度の大きい仕組みにしようと思っています。

 一方で、ソフトメーカーとしての任天堂と先ほど申し上げたのは、任天堂は非常に幅の広いお客様、 小さなお子様から、あまりゲームに関する事情には詳しくご存じない方々まで、いわゆるゲーム初心者の方々、入門者の方々も含め、「安心していただけるブランドでありたい」という考えがありますので、そこについては私たち自身、ある程度厳しいレギュレーションをつくって、そこで「しっかり安心していただける、信頼していただける状況をつくりたい」と考えているからです。これは、もちろん、任天堂が正しくてソフトメーカーさんに問題があるということを申し上げたいのではありませんし、それぞれのソフトメーカーさんごとに固有の、お客様の対象層の違いというのがあって、任天堂が対象としているお客様においては、「任天堂はここにおいて一段厳しくあるべきだ」と考えているということです。

専務取締役・営業本部長 波多野 信治:

 国内外のソフトメーカーさんは、最近この分野に対して非常に関心度も高く、また、その方向を検討されている会社様が多くなっており、国内のソフトメーカーさんとは、先般この問題について、どういうことを希望されているのか、どんな方向でやりたいのか、いろいろと意見交換をさせていただいております。各社さんの希望がもちろんあるわけですけれども、基本的には、任天堂だけではもちろんありませんけれども、「システム的なところでの安全」、それから、「ソフトとしての安全・安心」。この二つを私たちはどうしてもしっかりしておかなければいけないし、これについて各社さんの異存はもちろんありませんが、ちょうど今これから具体的にご希望を整理して、私たちはできるだけ楽しい新しいソフトを一緒につくっていこうということで進めておりますので、そういうことが各社さんからリリースされたり、あるいはさまざまなことが発表されると思いますので、もうしばらく時間がかかると思います。

Q 4-2

 そういった(いわゆるソーシャルゲーム型の)アイテム課金的なソフトがサードパーティーから出てくる可能性はあるということか。

A 4-2

岩田:

 ソフトメーカーさんがそういうことをされたい、そしてソフトメーカーさんとお客様の関係の中で、それが日本で認められる商取引として通常認められるものであるのであれば、私たちは「それをやってはいけない」と申し上げるつもりはありません。ただ、これはソフトメーカーさんが決められることで、私にご質問いただいても「そうです」とはお答えしようがありません。そういうことをされたいソフトメーカーさんがいらっしゃって、「これはお客様に対して適切な関係になっています」ということであるならば、私たちはそこについてお断りするつもりはありません、ということです。


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