これは、昨年10月に発売した『ポケットモンスター X・Y』のパッケージ版、デジタル版、そしてハードとのバンドルで販売した本数も含めた総販売数のセルスルー推移です。ご覧のように、日本市場では非常に速い速度で一気に売れましたが、アメリカやカナダでは、
時間をかけてじわじわと売れ続け、3DSのハード普及台数では普及が先行している日本と比較すると、アメリカとカナダの合計でも普及台数が約15%ほど少ないにもかかわらず、アメリカ市場とカナダ市場の合算でのソフト販売数が6月に日本を追い抜き、その後も差を広げています。
言いかえると、海外の市場では、一旦売れる流れに入ると軸になるソフトの効力が長続きするということです。
『スマブラ』と『ポケモン オメガルビー・アルファサファイア』の2タイトルが今年の年末商戦の主軸ソフトになるわけですが、これまでに発売した有力ソフトのポテンシャルを引き出せるかどうか、ということは、特に海外市場で重要になると考えています。
また、日本では、『トモダチコレクション 新生活』というタイトルで昨年発売したタイトルを、今年、海外市場では『Tomodachi Life』という名前で発売しました。
日本では、ニンテンドーDSで『トモダチコレクション』がヒットした実績があった後の2作目として発売されましたので、最初からまとまった初動で売れたのですが、今回、『トモコレ』シリーズは、海外で初の発売となりましたので、長期にわたってじっくり売るということを目指して取り組んでいます。
ヨーロッパ市場では、特に興味深い販売推移になっていますので、具体的にご紹介しておきますと、
ご覧のように発売以来、非常に長い間、安定して売れています。9月〜10月にかけては、ヨーロッパでは、一番ソフトの販売が落ち込む時期なので勢いを失っているように見えますが、これから、また年末にかけて販売が伸びることが十分期待できる状況です。
例えば、昨年ほぼ同時期に発売した『とびだせ どうぶつの森』の
海外版『Animal Crossing New Leaf』の販売推移と比較しても、初動こそ知名度の違いがありますが、夏の間の粘りは『どうぶつの森』以上になっていることをご覧いただくと、このソフトのポテンシャルを感じていただけると思います。
『どうぶつの森』も『トモコレ』もそうですが、このような、業界内で他に競合するソフトが少ないジャンルのソフトのポテンシャルを引き出していくことは、ニンテンドー3DSというプラットフォームを活性化させるために、大変重要だと思っています。
次に、Wii Uについてです。
これは、今年4月〜9月の日本・アメリカ・ヨーロッパのWii Uのハード・ソフトのセルスルーが、昨年実績に対してどれだけの比率になっているのかをグラフにしたものです。ご覧いただくとわかりますが、今年、世界各地でハード・ソフトとも、昨年実績を大きく上回る販売ペースで推移しています。
特に、昨年と販売ペースが変わったのは、
『マリオカート8』を全世界で5月に発売してからのことです。『マリオカート8』の発売に続き、6月に開催されたE3でWii Uの今後のソフト展開を発表したことで、Wii Uを再評価する声をいただくことができました。
そして、ニンテンドー3DS版に続き、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』も、全世界でこの年末に発売予定です。
今年のWii Uの年末商戦は、『マリオカート8』・『スマブラ』という、任天堂の多人数プレイソフトの決定版を揃えて臨む、初めての年末商戦になります。