ゼルダの伝説 最新作
[Wii U]
メーカー:任天堂
発売日:2015年
1986年に第一作が発売され、今年で28年を迎える『ゼルダの伝説』シリーズ。
まだ『ゼルダの伝説』シリーズを遊んだことがない人のために、『ゼルダ』の“キホン”について、開発プロデューサーの青沼英二さんにインタビューしてみました。
「ゼルダ」っていうのは、物語に出てくるお姫様。「リンク」っていうのは、プレイヤーの分身となる主人公です。プレイヤーは「リンク」になって、ゼルダを助けにいきます。
ゼルダは国を守る使命をもつお姫様なので、普通の女の子にはないような何かを持っている子。ある種、遠い存在で、リンクはそれを追い求めるっていう感じ。シリーズの中にはゼルダとリンクが一緒になって冒険したりするものもあるね。
ゼルダは主人公じゃないんだけど、遊ぶ人にとって、特別な存在であってほしいという思いがありますね。
また、リンクは英語で言うところの「その世界にリンクする(つながる)」という意味の名前なので、『ゼルダの伝説』は、「その世界にリンクしてゼルダをテーマに冒険するゲーム」って言えるのかな。
ゼルダは「その世界の平和の象徴」みたいなもので、そこに悪いヤツ、ガノンが来て、そいつをなんとかするために、リンクもそこに出ていく。シリーズを通して、そういう関係になっています。悪いヤツが「ガノン」じゃない時も、たまにあるけどね。
トライフォースは、それに触れることでその人の願いをなんでもかなえてくれる神の力。
勇気・力・知恵っていう、3つの力があって、それぞれリンクとガノンとゼルダその力を宿す運命にある。このあたりのことは、各シリーズ作品でそれぞれの持つ意味が違ったりします。
いつも言うのは、「今つくっているもの」かな(笑)。でも、それぞれの作品に全部思い入れがあって、中でもやっぱり僕がいちばん最初にゼルダの開発にかかわった『時のオカリナ』は印象深いですね。
あれを作るときは、とにかく自分が今体験している現実のものを、ゲームの中にいろいろ入れていったんです。
『ゼルダ』の世界を自分なりにモノにできた感じがあって、初めてエンディングを見たときには、泣いちゃった(笑)。
よく『ゼルダ』は「ナゾトキ」が面白いって言われますね。
「ナゾトキ」って聞くと、難しいんじゃないかと思っちゃうかもしれないけど、そんなにややこしいものではなくて、「しかけ」とか「トリック」って言ったほうがいいかもしれない。
リンクが冒険する世界の中にいろんなしかけが隠れていて、それを自分で発見して、「使ってみたらこんなことができた」とか、「こんなこともできるのかな? と思ってやってみたら意外な反応があった」とか、そういう発見の連続が楽しいんじゃないかと思います。
僕の息子が小学生のときに、「ゼルダの何がいちばんおもしろい?」って聞いたら、「宝箱をみつけるのがいちばん楽しい」って言ってたなあ。
宝箱の中身がたとえ1ルピーでも別にいいって(笑)。
宝箱を見つけたときに、「見つけた!」っていう達成感とともに、それを開けるところが本当に楽しいんだって。
しかけを発見して、解いていく楽しさや驚きを味わう楽しさがあるんだと思いますね。
ご安心ください! そんな人でももちろん大丈夫!
アクションゲームっていうと、反射神経が必要だったり、技術がないとクリアできない…と思われてしまうかもしれないけど、『ゼルダ』はそこまで求めません(笑)。
それにゲームって、不思議なんですけど、遊んでいるうちにうまくなるんですよ。
ゼルダもそうで、「何とかしたい」って気持ちでいろいろやっているうちに、うまくいったりすることがあって、だんだん成功率があがっていく。
何度もやり直せるからかもしれないけれど、行きづまったりしても、しばらくその世界にいて、その世界の「つくられ方」がわかってきたりすると、そこからまた進められるようになるんです。
そうです。たとえば、リンクは剣を持っているけど、他にも武器を持っていたり、ビンがあって薬をいっぱい買うことができたり、そういうものを使った別のやり方があったりするんですよ。 そういう他の手段を発見したときに、今まですごく苦手だったところが簡単にできたりするんです。 行きづまったら、いったん他のところをプラプラと歩いてみたりすると、違う方法に気がついたり。 そういう発見を信じて遊んでもらいたいですね!