朝晩の風にさわやかさを感じるようになってきました。そろそろ新学期もはじまりますね。久しぶりに早起きしてみると、庭やベランダに咲く花の種類が、少し変わってきていませんか?飛んでくるチョウやハチの顔ぶれも、真夏とはちょっとちがうかもしれませんね。
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サツマイモは、江戸時代に中国から、当時の琉球王国経由で日本に伝わりました。煮たりふかしたりして食べるほか、デンプンをとったり、焼酎(しょうちゅう)の原料にしたりと、今でこそ幅広く利用される貴重な作物ですが、その価値が認められたのは八代将軍徳川吉宗の時代、西日本を襲った享保(きょうほう)の大飢饉(ききん)のときだったといいます。サツマイモはやせた土地でも凶作のときでも、よく育つ植物だからです。
サツマイモは、黄色やオレンジ色、紫やピンクなど、色のバリエーションも豊富で、最近はケーキやアイスクリームにもよく使われています。ただ、紫芋や紅芋はアントシアニンを豊富に含むため、ベーキングパウダーなどのアルカリ成分に反応して、緑色に変色することがあります。そんなときは、酸性のレモン汁などを混ぜると、きれいな色に戻すことができます。
ジャガイモが世界中で食べられているのに対して、サツマイモはいわば「アジアのイモ」です。生産量の9割近くがアジア産といいます。
ところで、サツマイモの花って、何かに似ていると思いませんか?そう、アサガオです。どちらも同じヒルガオ科の仲間ですから。ただし、熱帯原産のサツマイモは日本ではめったに花を咲かせません。花が咲かなければ、種子はとれません。では、どうやってふやすのでしょう?その答えは、コラム「植物の栄養繁殖とは」でさがしてみてください。
アキノキリンソウは、その名の通り秋に咲く、キリンソウによく似た花。「いきものリンク」を見ると、この二つの植物が「名前の由来」でつながっていますね。ついでに「生息する環境」もチェックしてみましょう。同じような場所で見られることもありますが、花の咲く時期が明らかにちがいます。ところで、アキノキリンソウは別名をアワダチソウといいます。でも、わたしたちには同じ仲間のセイタカアワダチソウのほうが身近かもしれません。どうしてかって?その理由はコラム「帰化植物」でみつけてください。
夜の街の街路樹の上のほうから、「リューリューリュー」と虫の音がさかんに聞こえてきます。アオマツムシの雄が雌を呼んで鳴いているのです。「バラエティ検索」の「なきごえ」で「うるさい」いきものの声を順に聞いてたしかめてみましょう。アオマツムシとマツムシの違いはわかりますか?明らかにちがうのは体色で、アオマツムシは緑色でマツムシは茶色です。鳴き声も違います。樹上にいるため頭の上から降ってくるように鳴き声が聞こえてきます。
古くから日本にいたマツムシと違い、アオマツムシが日本に来たのは明治時代以降です。外国からきた外来種の昆虫なのです。今ではすっかり馴染んでいますが、日本の秋の虫にしては、ちょっとうるさいくらいの派手な声ですね。コラム「昆虫の外来種」には、ほかにもいろいろな外国産の昆虫が紹介されています。
古来、秋は月を見て楽しむ季節とされてきました。とくに「秋の真ん中」という意味の「中秋」(旧暦8月15日)の満月は、すみきった夜空にこうこうと輝きます。お月見の風習は中国に始まり、秋の収穫を祝う行事でもありました。「中秋節」といって、一家団らんで月餅(げっぺい)やごちそうを食べるのだそうです。
日本でもススキや団子だけでなく、サトイモやサツマイモをお供えしますね。「芋名月」のゆえんです。今年の中秋は9月30日。お月さまに何をお供えしますか?
今月の情報はいかがでしたか?来月は、秋に葉を美しく色づかせる樹木が登場します。どうぞお楽しみに!
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