花といきもの立体図鑑

2013年 1月号

新しい一年がやってきました。今年の干支は巳(ヘビ)です。神秘的なイメージのあるヘビですが、ほんとうはどんないきものなのでしょう?「花といきもの立体図鑑」にも、ヘビの仲間が何種類か収録されています。ぜひ調べてみてください。

今月のおいしい話題

ネギ

※ニンテンドー3DSでご覧の方は、上記写真をタッチペンで長押すると、立体写真をご覧いただけます。

冬においしいネギは、奈良時代の昔から栽培され、『日本書紀』にも記されている古典的な野菜です。寒くなるほど甘味が増します。「カモがネギを背負ってくる」といわれるカモ鍋から寄せ鍋、水炊き、すき焼きまで、ネギなしではすませられませんね。その独特の香りは食欲をそそり、肉や魚の生臭みを消す効果もあります。香りの成分であるアリシンは血行をよくし、ビタミンB1の吸収を促進してくれるので、疲労回復やカゼの予防にも効果あり。栄養的にみると、じつは1本のネギのうちでも、カロテンを多く含む緑の部分は緑黄色野菜、白い部分は淡色野菜に分類されるのだとか。

地方によって品種もさまざまで、おもに緑色の部分を食べる葉ネギと、白い部分を食べる根深(ねぶか)ネギに大別されます。たとえば西日本に多い葉ネギの代表は京野菜のひとつである九条(くじょう)ネギ、東日本に多い根深ネギの代表が江戸野菜のひとつである千住(せんじゅ)ネギです。

春になると、たくさん小花が集まった球状の花房をつけます。「ねぎ坊主」です。橋の欄干(らんかん)についている擬宝珠(ぎぼし)の形に似ていることから「ネギの擬宝(ぎぼ)」などの別名もあります。このねぎ坊主、開花する前のつぼみのうちなら、天ぷらや炒めものにして食べられます。「いきものリンク」を見ると、ちょっと風変わりなこの花にも昆虫がくることがわかります。意外においしい蜜があるのかもしれませんね。

さがしてみよう(花編)

フクジュソウ

初春、山地のブナ林などの地表から、あざやかな黄金色の花をのぞかせるフクジュソウ。「福寿」とは幸福と長寿を表す言葉で、江戸時代の初めから正月の花として親しまれ、育てられてきました。幕末には百数十種もの園芸品種があったといいますが、現在は60品種ほどしか残っていません。花が終わると夏まではさかんに生長し、そのあと地表に出ている部分は枯れてしまいます。次の春、ふたたび花芽が顔を出すまで地中に隠れているのです。

ところで、フクジュソウは昆虫のアリと深い関係があるのをご存じですか。くわしくはコラム「アリとアリ散布植物」をご覧ください。

さがしてみよう(いきもの編)

ムラサキシジミ

ふつう、チョウは冬にはいなくなりますが、成虫のまま寒い冬を過ごす種類もあります。なかでもよく知られているのがムラサキシジミです。本州の宮城県以南、四国、九州から南西諸島にすみ、寒い地域では暖かい落ち葉の下に身をかくし、温暖な地域では照葉樹の葉裏に集団でとまって越冬します。そして春になると、ほかのチョウが出現する前にいち早く雑木林を飛びまわります。よく似たシジミチョウの仲間に、ムラサキツバメがいます。「ビジュアル目次」でさがしてみてください。「色」で「紫色」を選んで並べ替えるとわかりやすいです。2種のチョウの見分け方がわかりますか?

季節のことば

鏡開き

鏡餅(かがみもち)は、正月のお供えにする平たくて丸いお餅です。昔の青銅製の鏡に似せてつくられたのが名前の由来といわれ、大小2個を重ねてダイダイを載せ、地域によってウラジロ(シダの一種)やユズリハ、串柿や昆布などとともに飾ります。

1月11日の鏡開きには、かちかちにかたくなった鏡餅をかなづちなどで叩いて小さくし、汁粉や雑煮にして一家の円満と健康を願って食べます。鏡餅は神様へのお供えなので、縁起の悪い「割る」という表現は避け、縁起のよい「開く」が使われました。

今月の情報はいかがでしたか?来月は、世界の生産量の9割を日本がしめるという野菜が登場します。どうぞ、お楽しみに!

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