NINTENDO DS Preview! Nintendo

2004年10月7日 NINTENDO DS Preview!(ニンテンドーDS 発表体験会) 任天堂社長 岩田聡 プレゼンテーション 於:TFTホール(東京有明)
 

任天堂社長 岩田聡  本日はお忙しい中、NINTENDO DS Preview!のために多数の皆さまにお集まりいただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。
 ただいま、お見せしたのは、先日から放映しているNINTENDO DSのコマーシャル撮影時の映像を使って構成したビデオですが、ご覧いただいた通り、Utadaさんは撮影当日に、DSをとても楽しそうにさわってくれました。今回、Utadaさんの素の反応をコマーシャルで表現したいということで、あえて事前のリハーサルは行わず、コマーシャル撮影当日にはじめてDSにさわっていただきましたが、その場のムードがよくおわかりいただけたのではないかと思います。
 今日は我々が、なぜDSを開発し、世に出そうとしているのか、ということからお話したいのですけれども、UtadaさんにはじめてDSをさわっていただいたときに、前提知識がなくてもあのようにすぐに楽しんでいただけたということに対して、我々は、当初の開発意図をしっかりDSで実現することができたという手応えを、はっきり感じております。

 ファミコンが世に出て21年、初代のゲームボーイ登場から、今年で15年になります。この間に、ビデオゲームは本当に進歩しました。もちろん、進歩は素晴らしいことなのですけれども、みなさんもご存知の通り、ビデオゲームが複雑でわかりにくいものになったということは否定できない面があります。このことにより、ゲーム離れなどと呼ばれる市場の縮小を引き起こしていることは、すでに皆さまもご存知の通りです。
 もちろん、これだけ進歩したゲームが市場にあふれている時代に、はじめての人でも楽しめる、ただシンプルな遊びを提案しても、それはゲームの熟練者にとっては、ただの価値のない遊びでしかありません。ただ、シンプルな遊びを提案するだけでは答えにならない、というところに、この問題を解く難しさがありました。
 我々の使命は、新しい構造の遊びを発明して、遊び手のみなさんに、良い意味で驚きを与え、珍しさを感じていただいて、楽しんでいただくことです。このためには、どうしても、今までにない構造のゲーム機が必要でした。
 その最初の答えがNINTENDO DSです。
 2画面、タッチスクリーン、ワイヤレス、マイク入力と、携帯ゲーム機にこれまでなかった、全く新しい構造の遊びを実現し、再びすべての遊び手の皆さんに、「同じスタートライン」に立って遊んでいただくということを目指しました。世界中の人たちに、年齢、性別、そしてゲームに関する知識や経験を問わず、同じスタートラインから新鮮な気持ちで楽しんでいただきたい、とういうのが我々のビジョンです。
 ここで重要になってくるのが、DSという新しいゲーム機で、どんなことが可能になるのかということなのですけれども、本日はその一端をお話したいと思います。
 まず一番わかりやすい特徴としては、タッチスクリーンによる直感的な操作があります。十字キーとボタンというファミコン以来の操作は、20年以上の歴史を重ねて、熟練者と未経験者の間に大きなコントローラさばきの差ができていますから、「同じスタートライン」の実現のために、直感的でわかりやすく、かつゲームではほとんど使われていなかったインターフェースが必要だったわけです。しかも、画面が2つあることと、タッチスクリーンは非常に相性がよく、とても柔軟に活用することができます。下画面は、自由に形を変えるコントローラでもあるのです。しかも、それが直感的に操作できる、というところが大きなメリットになります。
 また、下画面をさわっているときでも、上画面の視野は遮りませんから、上画面を見ながら、下画面をさわる、というような操作もできます。もちろん、人間は同時に2つのものを見ることはできませんから、ある瞬間、瞬間は、どちらかの画面だけを見ています。しかし、いままでなら、コントローラー操作でモードを切り替えないと表示できなかったり、あるいは画面の隅っこに小さくしか表示できなかった、そういう要素が、視線をちょっと動かすだけでしっかりとわかりやすく表示できるわけですし、またゲーム中のガイダンスをもう一方の画面に丁寧に表示すること、そして遊びやすさ重視の2次元表現の画面と、演出、迫力重視の3次元表現の画面を両方をつねに表示しておいて、遊ぶ側が主導権を持って、どちらを見るか選ぶ、というようなことなど、2画面を使うからこそできる、そういうこともいろいろありますから、私たち作り手としても、タッチスクリーンと2画面の組み合わせには、大きな手応えを感じております。
 同時に、マイク入力も直感的でわかりやすい入力手段として、これが標準搭載されていることに大きな意味があります。これについては、のちほど宮本が具体的な例を皆さんの前で実演する予定ですので、お楽しみにお待ちください。


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