任天堂ホームページへ ゲームボーイアドバンスのトップページへ
杉森建のときどき更新されるれろ
杉森建のときどき更新されるれろ パスワードをさがせ! このページに隠されているパスワードを集めると、ゲームに新たな楽しみが追加されます。 詳しくはこちら
第2回「メインキャラクターたちの設定」
その1「主人公の乗り物は何?」
2005.10.07
 主人公はドリルがついた乗り物に乗っている、ということが決まりました。では、その乗り物はいったい何のために作られたのでしょうか?
 アニメやSF映画の世界では、戦車にドリルを搭載したメカが登場します。現実の世界にも、地下鉄のトンネル工事などでドリル式の車輌が活躍しています。このゲームで主人公が乗っているのも、おそらくそういうものに近いだろうと考えられます。兵器、などといったら大袈裟だしちょっと危険すぎますが、小型の建設機械だったら可愛らしいイメージがあっていいんじゃないでしょうか。
 当初は、ゲームに登場するこれらの機械をロボットと呼んでいましたが、それでは当たり前すぎるので、オリジナルの呼称を与えることにしました。そこで開発スタッフのあいだでいろいろアイデアを出し合った結果、ロボット+ユンボ(パワーショベルなどの建設機械)で「ロンボ」という名称になったのです。
 ちなみに、ロンボというのはこの世界におけるメカの総称で、「ラセンダー8」というのは主人公くるりが乗っているロンボの固有名詞です。そこのところをお間違えなく。

その2「主人公の職業は何?」
2005.10.12
主人公は採掘技術児童?
主人公は採掘技術児童?
 さて、そんなロンボに乗っている主人公は、とても小さな女の子です。いったい何者なんでしょう。まさか小学校に通いながら副業で穴を掘る採掘技術児童……なんてことはありませんよね。道路工事、トンネル掘り、ダム建設、ひょっとして金庫破り? いろいろ考えていくなかでもっとも刺激的だったのは、宝物を探して古代遺跡などを冒険している盗賊です。
 とは言っても、盗賊というのはゲームやアニメの世界では「トレジャーハンター」などと呼ばれて、少しばかり見慣れた存在でもあります。ですから、このゲームではトレジャーハンターという言葉を使わず、あえて盗賊(トウゾク)という無骨な響きにこだわることにしました。
 ただ、主人公が盗賊──言い換えれば「ドロボウ」だというのでは、プレイヤーにとってあまり感情移入がしにくい存在となってしまいます。そこで、盗賊ではあるけれど、貧しい人からものを奪ったり、弱い人を傷つけたりするようなことはしない、義賊(ぎぞく)だということにしたのです。

その3「仲間たちの役割は?」
2005.10.14
 いくら主人公が義賊だといっても、小学生の女の子が一人でそんなことをしているのは、あまりにも不自然です。そこで、義賊なのは主人公自身ではなく父親とその仲間たちであり、主人公はそれに巻き込まれるようにして盗賊のあとを継ぐ、という設定ができてきました。
 話はちょっとズレますが、この『スクリューブレイカー』はトリッキーなアクションを体験してもらうゲームですから、チュートリアル(最初の操作説明)をキメ細かく盛り込むつもりでいました。そして、それを操作説明用のモードで見せるのではなく、可能なかぎりゲーム進行の中に自然に組み込んでおきたかったんですね。そのためには、操作の説明をしても不自然ではないキャラクターが、主人公くるりの身近にいる必要がありました。そのために用意されたのが、カンブー(世界観やストーリーのガイド役)と、メンテ(ロンボの操作)だったのです。
 これらのサブ・キャラクターが出てきたことで、盗賊のイメージがもう一歩前進して、「盗賊団」というさらに楽しげな主人公像が出来上がりました。
 ところで、くるりの父であり、盗賊団の親分でもあるラッセンは、強力なリーダーシップの持ち主ですが、今回はストーリーの関係上あまり活躍の場が与えられませんでした。もしも、『スクリューブレイカー』の続編を作るチャンスをいただけるなら、今度はぜひラッセンの見せ場を作ってみたいものですね。

 ではでは、第3回のコラムでお会いしましょう。ドリア〜〜ップ!