今週は、オープニングムービーについて書きましょう。
「カスタムロボ バトルレボリューション」には、シリーズで初めてオープニングムービーが収録されています。テレビCMでも使われていたアレです。
ムービー制作はCGクリエイタの青山敏之さんにお願いしました。青山さんは「LightWave 3D」という3DCGソフトの使い手としてその世界で名の知られた方で、特にスピーディな演出、光の使い方に定評がありました。以前作られたいくつかの作品を見せていただき、これ以上適任な方はいないぐらいに思い、是非にとお願いすることにしました。
ムービーの内容は、皆で話し合って決めています。まず、今回のゲームキューブ版の最大の特長である4人同時プレイを全面に出すことにしました。それも、ドラマ性を出すため、1対3のチーム戦という設定にしました。主人公機レイ01と敵3体です。敵3体は悪役っぽいイメージにして、主人公VS悪役という形にしたのです。レイ01が敵を次々と撃破していき、最後にボスのラカンセンというロボと一騎打ちになるという展開を考えました。
バトルルールなどの設定については、ある程度はゲームに合わせましたが、細かいところではカッコ良さ優先にして、ゲームでできないこともやってしまおうということにしました。その結果、フィールドもゲームのホロセウムよりずっと広くなり、敵のパーツを奪い取るような展開もありになりました。
アクションとしては、ガンとダッシュをメインに使うことにしました。「カスタムロボ」のスピード感を表現するには、この二つが最適だと考えたからです。ボムとポッドは、少なくともどちらかを使って、ゲーム中によくある敵を追いこむ場面が再現できたら良い、という話をしていましたが、これはラストのラカンセンを追い詰めるシーンで実現しました。
また、最初に「カスタムロボをシナリオの設定どおり小さいものとして表現するかどうか」といった議論もしました。これについては、小型ロボという設定はシナリオモードできちんと説明しない限り、海外ではなかなか理解してもらえないのではないか、ということで、あえて小さいロボットであることはムービー中で説明していません。
テレビゲームはプレイするためのもので、ムービーは見せるためのものです。だから、同じようにCGで世界を表現しても、お互いに見せ方の切り口が必ず変わることになります。そういう意味で今回、「ゲームを作っている限り見ることのできなかったカスタムロボ」を見ることができて、僕も非常に面白かったです。例えて言うと、原作がアニメ化された漫画家の気持ちってこれに近いのかもしれません。
ちなみに、今回ゲーム中には2種類のムービーが用意されています。一つはバトルシーンだけで作られたもので、もう一つはシナリオモードのシーンも組み合わせたものです。実は、最初は前者のバージョンだけ作っていたのですが、dreamとのタイアップが決まって、その曲を使った後者のバージョンも作ることにしたのです。両方で曲調が全然違うので、それぞれに特徴が出て面白い2バージョンができたと思っています。青山さんにもいたく感謝しています。
エッセイ以外での今週の更新は、激闘編8章、9章になります。それぞれ1対2のバトルと、2対1のバトルです。「カスタムロボBR」の特長を表すハンディと逆ハンディのバトルが連続します。
それではまた。
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