15世紀ヨーロッパ。 この暗黒の世に、恐るべき人物がいた。 トランシルバニアのヴラド・ツェペシュ、またの名をドラキュラといった。 殺戮を喜びとし、破壊の限りをつくすことに飽き足らなくなった彼は、 遥かなる太古に失われし魔法を復活させ、暗黒邪神をこの世に呼び覚ました。 狂王は邪神の力を借りて、忌まわしき魔物を次々と世へ送り出し、 ワラキア全土を暗黒と、殺戮の地と変えていった。 そして自らの野望に狂った王は、 ついにはその魔の手をヨーロッパ全土に広げようと図ったのであった。 この地を汚し、血で染めようと…… このことを重く見た正教会は、ただちに手を打って、軍隊を送り込んだ。 また、かの地でも、ドラキュラに対して、戦いを挑もうとする者達があった。 だが、しかし、誰一人として生きて戻ってきた者はいなかった…… なす術のなくなった正教会は、 ついに、真正ヴァンパイア・ハンターと呼ばれるベルモンド家に、 ドラキュラ討伐を委ねることを決意した。 ベルモンド家とは、太古までにさかのぼる古い血筋を持ち、 忌まわしき者達との戦いの中で生き延びてきたという一族であった。 しかし、そのあまりにも人間離れした能力のために、 人々からは恐れられ、疎んじられてきた。 そのため、いつしか人々の前から姿を消し、 久しい間彼らを見た者はいなかった…… だが、教皇はあらゆる手を尽くし、 ついにベルモンドの血を受け継いだ人間に巡り合うことができた。 その若者の名は、ラルフ・ベルモンドであった。 シモン・ベルモンドの時代をさかのぼること100余年、 ドラキュラと人間の戦いが、今ここに始まろうとしている…… |