まだ森や湖の精霊たちが人間と共存していたころのお話です。 ローレンス王国という美しい国に、1人の若者がおりました。名をクロービスといいます。 彼は王国の親衛隊長の息子でありながら、乱暴者でケンカが絶えませんでした。 父親はそんなクロービスを見るに見かねて勘当してしまいます。 帰る家も友人も失ったクロービスは、1人放浪の旅に出るのでした。 さて、ローレンス王国からほど近い山の中、1匹のドラゴンがおりました。 元々、ドラゴンは神の使いでしたが、自分の力を過信して謀反を企て、神の国を追放されたのです。 ところが、ドラゴンは反省するどころか、今度は人間界を支配しようと考えました。 世界でもっとも美しい国、ローレンス王国が狙いです。 ドラゴンは王国に攻め込み、王女セリアを人質にして、自分を新しい王にするよう要求したのです。 この話を風のたよりに聞いたクロービス。 セリアの美しさと優しさにひそかな想いを寄せていた彼にとっても、この事件は辛いことでした。 クロービスはセリアと故郷を守るため、打倒ドラゴンを決意します。 長く厳しかった旅は、クロービスを強く優しい若者へと変えていたのです。 そしてクロービスは、ふたたび旅立ちます。そう、「ドラゴンバスター」の旅に! |