はるか遠い昔、まだ世界には誰の姿もなく、ただ世界樹が佇んでいるだけであった。 ある日、世界樹は3つの果実を実らせた。 3つの果実からは「妖精」「人間」「魔族」が生まれた。 聖なる心を持つ妖精は世界樹の国に暮らし、 無垢なる心を持つ人間は地上に生活し、 邪悪な心を持つ魔族は闇の国に潜んだ。 彼らは出会うことも、交流することもなく、そうして世界はバランスを保っていたのだ。 今からちょうど千年前のことである。 闇の国に強大な力を持つ新しい王が誕生した。 王は闇の国の支配に飽きたらず、地上を闇の世界に創り変え、支配する野望を抱いた。 人間たちとの戦いは、簡単に終わるはずであった。 しかし、人間の英知は闇の国の野望を打ち砕く。 人間たちは「地の力」を引き出すための道具を使い、 世界樹の国に住む妖精たちの力を借りることに成功したのである。 妖精たちの聖なる力によって、闇の国の者たちは永遠に封印されたのだった……。 千年後の今、人間たちはもはや過去の大戦や世界樹の国の存在を忘れ去り、 平穏な日々を過ごしていた。 愛し合ったり、喧嘩をしたり、喜んだり、悲しんだりしながら……。 |