社長が訊く
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社長が訊く『ニンテンドー3DS』ソフトメーカークリエーター 篇

社長が訊く『ニンテンドー3DS』ソフトメーカークリエーター 篇

第11回:『BIOHAZARD REVELATIONS』

目次

6. 熱き男たちのチーム、2倍働く

岩田

その「RAID MODE」について、
少し説明してもらっていいですか?

中西

はい。本編である「キャンペーン」とは別に、
2人でも遊べるマルチモードです。
「RAID MODE」は友だちといっしょに
ゲームを楽しんでもらうという、
本編とはまったく違うコンセプトのゲームなんです。

川田

もともとは『マーセナリーズ』を商品化したので、
別のボーナスゲームを考えるところからはじまったんですが、
いろいろ考えている中でとなりのチームを見ると、
『モンハン』(※15)っていうゲームがありまして(笑)、
何やらワイワイ言いながら楽しそうに盛り上がっている。
いいなぁ・・・と思って眺めていたら
スタッフがうまいことまとめてくれました。

※15
『モンハン』=『モンスターハンター』。1作目は2004年に発売されたハンティングアクションゲーム。最新作は2011年12月にニンテンドー3DS用ソフトとして発売された『モンスターハンター3(トライ)G』。

岩田

ただ、今回の「RAID MODE」は単なる
ボーナスゲームの域を超えていますよね。

中西

開発スタッフの中でも、
みんなで遊べるものは面白いのでつくりたい、
という反応があったんですよ。
だから、マルチで遊ぶものは余分なものをなくし、
バトル専用モードとして特化させました。

川田

気がつくと、本編とマルチプレイ用と、
2本のソフトをつくっていた感じです。

中西

結果・・・そうなんです(笑)。
じつは「RAID MODE」は、
『マーセナリーズ』を調整したメンバーが
その制作が終わったあと合流してつくっているんです。
だから2周目の人間がつくったからこそ、
あれだけのボリュームをハイペースでやってくれました。

岩田

あの・・・今日の話は訊けば訊くほど、
「『マーセナリーズ』をつくってよかった」
という話につながりますね。

川田

そうですね(笑)。

竹中

本編の「キャンペーン」は1人で、
バトル専用の「RAID MODE」は2人で遊んで、
『バイオハザード』を街に持ち出してほしいんです。
1ゲームはだいたい5~10分ほどなんですが、
細かい遊びなら3秒で終わるものもありますから
ちょっとした隙間時間に遊べます。
いい品揃えになるまでショップに出たり入ったりするだけでも、
けっこう楽しかったりします(笑)。

岩田

単なるボーナスゲームというより、
「1人でガッツリ遊ぶゲームと、
 持ち歩いて友だちと楽しめるゲームを
 ひとつの商品にした」
と言ったほうがいいかもしれないですね。

中西

じつは「RAID MODE」は、
本編を全部終わらせなくても遊べるんです。
そういう意味でも、携帯型『バイオハザード』として
全方位、隙をなくしたいというところです。

岩田

いやぁ・・・。
熱き男たちのチームがすごい密度で、
ハード発売11カ月後としてはあまり例がないような、
携帯型初の本格『バイオハザード』ができあがりましたね。
自分たちに「携帯型だから」という言い逃れを許さずに
つくり続けてきた結果だと思います。
最後にひとことずつ、お客さんへのメッセージをお願いします。
では、鈴木さんからどうぞ。

鈴木

はい。いま話があったように
携帯型ということはあまり意識せず、
本格的で本物の『バイオハザード』をつくりました。
新しいエッセンスとして、
お客さんがゲームに没入できるような音楽や、
心に残るような曲を意識してつくりました。
音楽はもちろん、効果音にも注目しながら
ゲームを楽しんでいただければと思います。

岩田

ありがとうございます。
では、堀さん。

携帯型だと思わず、据置型のような
グラフィックをめざしてつくりましたので、
まずそこを楽しんでもらいたいです。
あとは「RAID MODE」も含めて、
社内用語で申し訳ないんですが・・・
“コシの入った調整”をしたので、ぜひ楽しんでください。

中西

あ、うどんの“コシ”のようなもんです(笑)。

岩田

はい(笑)、ありがとうございます。
では、中西さん。

中西

ここまでお話ししたように、みんなが苦労して、
ここにいない人たちも含めた大勢の人たちによる、
ものすごい努力の結果、できあがりました。

岩田

熱いです(笑)。

中西

ほんと、買っていただいたみなさんに、
楽しんでもらえればうれしいですね。

岩田

ありがとうございます。
では、竹中さん。

竹中

これまでの『バイオハザード』を
愛してくださった方はもちろん楽しんでもらえますし、
街に持ち出せる、といういままでにはない要素ですので、
ぜひ外に持ち出して遊んでほしいと思っています。

岩田

ありがとうございます。
では最後に、川田さん。

川田

こんなことを僕が言っちゃいけないかもしれないんですが、
「なんでナンバリングじゃないの?」と言ってもいいできに
仕上がったんじゃないかと思っています。
まさしく正当派の『バイオハザード』に仕上がっていますので、
ぜひ楽しんでください。

岩田

はい、ありがとうございます。
なぜこのチームが、このスピードと密度で
これほどボリュームあるものをつくれたか、
という秘密が少しわかりました。
熱く、かつ2倍働くっていうことですかね(笑)。

一同

(爆笑)

川田

それともうひとつあるとすれば、
くり返しになりますけど、お客さんとの触れ合いができたこと。
間接的に会話ができたことが非常に大きかったと思います。

岩田

毎回、発表のチャンスをうまく使って、
お客さんの反応を見て、聞いて、フィードバックした結果、
できあがったソフトなんですね。

中西

ええ、そのぶん、スタッフには何度もロム出しをお願いして
苦労をかけてしまいましたが・・・
そのおかげでこういうつくり方ができました。
ぜひ1回、お客さんには触ってみてほしいです。

岩田

今日はお話がいろいろと訊けて楽しかったです。
みなさん、本当にどうもありがとうございました。

一同

ありがとうございました。