ロスからラスベガスに向う道路沿いにぽつんと建つ小さなホテル。古いレンガ造りの2階建てで、客室は10室ほどで従業員は3人だけ。カイル・ハイドは、1979年12月28日、このホテルに宿泊する。
ホテルにチェックインしたとき、カイルはマスターのダニンクから自分が泊まることになった215号室が「願いが叶う部屋」だと言われる。ダニングはその部屋に泊まって願いが叶った人間がいたと真剣に話すが、カイルはそんな話を真に受けることは出来ない。
カイルの勤め先で表向きは家庭用品の訪問販売の会社だが(メイドのローザに言わせれば、役にも立たないものばかり売っているらしいが)、社長のエドはその裏で、表立っては探せないいわくつきの探し物を見つけ出すビジネスを手がけている。カイルはときどきその裏稼業を手伝っている。
裏の仕事が入ると、エドはカイルに探し物を見つけ出す場所を連絡し、その場所へカイル宛ての荷物を送り出す。カイルはその場所に向かいエドからの荷物を受け取る。エドからの荷物の中には、探し物が書かれたオーダーシートが入っていて、それを見ることでハイドの仕事が始まる。
ハイドが子供の頃見ていたアニメに出てくるうさぎの名前。元気ものだがちょっぴりドジなピンキーラビットは、1950年代に放映されたTVアニメの主人公で、当時の子供たちに絶大な人気があった。1965年に放映終了となったが、その後も多くのキャラクター商品となっている。
マスターのダニングは、大のアイスホッケーファン。テレビで試合を見ているときはいつも夢中で、フロントの仕事も忘れてしまうこともある。そんなダニングに文句が言えるのは、メイドのローザだけ。
カイルはチェックインのとき受け取ったホテルのパンフレットを、自分の手帳に挟んで持っている。パンフレットには館内図が付いていて、それを見たくなったときには、カイルは手帳を開く。
ホテル・ダスクの1階にあるレストラン。オープンは夜の6時から9時まで。レストランの厨房を預かるのはメイドのローザ。ローザの料理は泊り客に評判で、ホテルの自慢のひとつになっている。
ホテル・ダスクの1階にあるバー。カウンターだけの狭いバーだが、おいしいバーボンを飲ませる居心地のいい店。オープンは夜の9時から12時まで。ボーイのルイスがバーテンダーをしていて、ジュークボックスもある。