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経営方針説明会
質疑応答
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Q 18  E3のときのスローガンはPlaying is Believingということだが、プレイしてもらうため、さわってもらうためにどういう仕掛けを考えているのか。
A 18

岩田:
 Seeing is Believingっていうのは「百聞は一見に如かず」ですかね。ですからそれをもじった言葉だと思いますが、Playing is Believingというコンセプトと実際にE3で起こったことはかなり説得力のあるスローガンだったと思います。実際に触った人たちはみなさんものすごく笑顔で反応してくれました。私は、今日皆さんが触っていただいている時に会場に足を踏み入れることができませんでしたが、それでもうちの社員から聞くとですね、やはり皆さん、非常に楽しく遊んでいただいたと聞いております。そういった意味では触っていただいた方の評判は非常に良いんですね。一方で、DSよりもWiiには難しい面が1つあります。それは、DSはどこにでも持って行って、ホイって見せられるのに、Wiiではそうはいかないことです。一方で、Wiiの方が有利なこともあります。DSをやっている人がいても、何をやっているかわからないことです。縦に持って字を書いていたら、脳トレをやっているのかなってわかるのかも知れませんが、他のソフトで何を遊んでいるのか、そこで画面に何が映っているのかというのは、多分、見えにくいんですね。これに対して、Wiiは見ていただくことができる。ですから、まずは人が楽しんでいる様子を見ていただくというのが先なんです。で、人が楽しんでいるのを見ていただくのその先に、私どもは色んな機会に体験を望まれている方に対して、体験をする機会を、そして実際にそれが一定のクリティカルマスまで広がると今度は、自分が味わって面白かったものを人に勧めたいという流れが生まれますから、そうなってしまえば、もう任天堂が、「全く新しい構造だから、特別な苦労をしないと全く売ることができない」という循環から抜け出せると思います。その意味で、私どもは年内に400万台ということをさっき申しあげましたけれども、これをいかに全部お客様の手に届けるのか、そして、そのお客さんに満足していただけるのかといこととが達成でできたらですね、先ほどのPlaying is Believingもちゃんとお客さんに広まっていくんじゃないかなと考えています。

Q 19  Wiiは触っていただければ、口コミで広がっていくということだが、実際にそういうことを体験できるソフトウェアはどういうタイミングで出てくるか。
A 19

岩田:
 Wiiスポーツ以外に複数、発売時に用意できないようであれば、おっしゃるように、口コミで広がるわけないですから、そういうものを複数、発売時または発売とほとんど変わらないタイミングで用意する考えです。それは、パッケージソフトの形かも知れませんし、バーチャルコンソールでダウンロードするソフトかも知れません。とにかく、特別な技量や慣れを要求する、あるいは、今までゲームを遊んできて色んな知識を持っていないと遊べない、そういうことではないということです。誰でもぱっと見たら、コントローラをぱっと渡されたときに、あ、これならすぐできそうと思えるものですね。例えば日本では、メイドインワリオってシリーズが非常に好評ですけども、ああいうものはやっぱり日本では特に年内にマーケットに出て行くべきだと私は強く思っています。

Q 20  WiiとDSに対するリソースの割り振りはどう考えているのか。ユーザーが両方を買うのは難しいのでは。
A 20

岩田:
 もちろん、実際にE3を終えてですね、Wiiを非常に高く評価してくださった社外の方の中にですね、「Wiiの最大のライバルは他社さんの機械ではなくDSだ」、「DSがこれほどの社会現象になって行くと、他のものに目が行かないんじゃないか」、ということを仰った方がいらっしゃいました。一方で今日の時点で、国内でもう850万人の方が、DSをお持ちなんですけども、そしてその方たちが、もっとDSを買おうと思っていただくのもまた結構なんですけども、そのゲーム関与、ゲームに興味があって遊ぶ習慣が今できていて、興味があって、その人たちにとって、家にWiiがあると、新しいゲーム体験ができて、かつ自分のDS体験ももっと豊かになるという風に見えたときに、それはカニバリという方向ばかり発想するのではなくて、逆に勢いをうまく活用できることになるんじゃないかと思います。今の状況ですと、「さあ、WiiもDSも家にありません、どっちを先に買いましょう」って言ったときに、同時期にこういう強力な商品が出ればですね、その分WiiのマーケットはDSにシフトしちゃうんじゃないかという見方は当然できるんですが、一方でDSはもうすでにこれだけお客さんの手に渡っていますから、その上に、Wiiの普及は、年内の出荷台数が、先ほど申しあげたとおり限られていますが、十分、勢いをつけるだけの販売はできると思います。

Q 21  宮本さんがソフト開発する際に、HDに対応していないなど、Wiiのスペックが低いと感じることはないか。竹田さんはどう考えているのか。
A 21

宮本:
 そうですねぇ、E3に出したものとか、今、作ってるもの、作ってる過程では、処理能力が足りないという実感はないです。これはどこがどう望むかですからね。絶対制限はあるんですよ。だから、今言われているようにHDにすれば、能力が4倍以上必要になるわけですから、という風なことを考えても、目に見えないところで、メモリもそうですよね。メモリが問題無くなってきたら、誰かが勝手に無駄な使い方をする。だから、どんどん管理は難しくなってくるし、機械の性能は早いけど、管理するのは大変だみたいなですね、変なところでロスがあったりします。で、いまWiiで目指してる、家族で遊べたり、一人でも遊べたりっていう、新しいフリースタイルの遊びを作るうえでは、今のところ全然ストレスを感じていませんし、結構まだゲームキューブも全然使いこなしていない状態で、かなり性能が上ったので、結構満足してます。

竹田:
 ハード側としては(今回のWiiの性能で)問題ないと思うんですけど。ただ、技術を何に使うかということだけでして、HDを快適に処理しようと思ったら(そういう機械の設計技術は)使えるし、実際Wiiでは90ナノ、SOI等々の最先端技術を使ったりとか、(競合他社の)みなさん同様DRAM混載の技術を使ってる訳ですから、それ(最先端技術)をどういう方向に向けるかという違いだけですから、それは色々考え方があるかと思うので、我々にしてみれば(Wiiが選んだ)その方向が、ソフトを作る人たちと方向があってるんじゃないかという風に思っています。

岩田:
 私もまだ心は開発者なので、一言コメントさせてください。私は、要はバランスだと思っています。もちろん先ほどもちょっと申しあげましたけれども、きれいな絵は魅力です。高解像度も魅力です。自分はその違いを認識できるし、別に私は性能が嫌いなわけではなく、私は技術屋の端くれなので性能にはワクワクする部分もあります。一方でそれを選んだときに、今度は機械が大きくなるし、起動は遅くなるし、WiiConnect 24みたいな機能の実装はどんどん難しくなるし、と考えたときに「どっちが魅力的な提案ができるだろう」、「どっちがバランスがいいか」っていうことで判断をしました。これはだから、できなかったからしなかったじゃなくて、選んだんです。これはもう、ものすごく議論が当然ありましたですけども。でも、そう選んだことなんで、それで今こうやってE3を乗り越えてですね、色んな人たちの反応を見て、自分たちの選んだバランスは間違っていなかったのじゃないかと思っています。でも、5年後10年後になれば、当然バランスがありますから、その時その時のバランスで、その時にリーズナブルな、これならお客さんと折り合いが付くなっていうバランスでまとめているので、別に任天堂が未来永劫HDをやらないっていうのではないし、いつかは分かりませんが、そういうことはあってもいいと思います。だけど今は、家庭でのHDテレビの普及率、起動の時間、筺体の大きさや発熱・消費電力、それらを考えたときのバランスが、こういう答えなんです。ですからバランスという点で私は、Wiiで後悔していることはほとんどないですね。

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