株主・投資家向け情報

2012年10月25日(木)第2四半期決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡

また、今まで、パッケージ販売とダウンロード販売は一般的に敵対関係であるかのように語られてきましたが、任天堂では、当社からニンテンドーeショップを通じて直接ダウンロード版を販売するだけでなく、合意が成立した小売店さんにもダウンロード販売に参加いただき、単純な流通中抜きではない形でダウンロード版の販売にチャレンジしています。当社にとっても、ダウンロード版の露出機会が増え、Win-Winの関係を築くチャンスがあると考えています。
また、事前に需要を予測するのが難しいエンターテインメント分野のソフトにおいて、在庫過多による在庫リスク問題と、在庫不足による機会損失問題を同時に軽減できるPOSAカード方式で、一部小売店さんの店頭で販売していただいており、これからも導入が増えていきます。
当初は、自社ソフトだけで始まりましたが、ソフトメーカーさんのソフトについても、すでに一部のソフトで始まっており、今後順次ダウンロード版を併売される例が増えてまいります。
また、海外で先行しましたが、日本では11月より、既発売のパッケージソフトのダウンロード販売も開始します。
また、パッケージソフトのダウンロード販売は、Wii Uでは、ハード発売直後から開始する予定です。

このパッケージソフトのダウンロード販売を、より幅広く多くの人に認知していただく重要なきっかけになるソフトが、国内で11月8日に発売されるニンテンドー3DS用ソフト

 


※CM映像を掲載しておりましたが、契約期間終了により削除いたしました。

『とびだせ どうぶつの森』です。
このソフトは、長い期間にわたって毎日お付き合いいただくソフトなので、とくにダウンロード版の優位性が活かしやすいソフトです。そこで、初めて、積極的なマス宣伝による告知に取り組むことにいたしました。 テレビCMを持ってきましたので、ご覧ください

これまでも、ダウンロード版のことを画面に表示したコマーシャルはありましたが、今回は、ご覧のように、「いつも一緒でなくさないダウンロード版もあります」とナレーションが流れます。おそらく、ダウンロード版のことを認識いただけるお客様が一気に増えるのではないかと思います。
そして、このダウンロード版の仕組みを別の形で応用したのが、

 


『とびだせ どうぶつの森 パック』です。
これは、『とびだせ どうぶつの森』仕様のニンテンドー3DS LLに、あらかじめダウンロード版が入った特別パックですが、大変多くのご予約をいただいて、すでに予約を締め切られた小売店さんもあり、現在、追加生産の手配を進めています。
ダウンロード版のことをよくご存じないお客様も含めて、このような形でダウンロード版の恩恵を実感していただくことで、今後、さらにダウンロード版の認知拡大と、普及を目指していきます。

 


今期は、前期の収益悪化の主要因であったニンテンドー3DSの逆ざやこそ当第2四半期中に解消したものの、まだニンテンドーDSに比べれば普及の初期段階にあるニンテンドー3DSや、未発売のWii Uにソフト開発資源を集中投下しなければならない時期であり、収益性の高いソフトの総販売数を伸ばすのは難しい状況にあります。また、厳しい円高も続いていることに加えて、Wii Uハードについては、製造原価から価格を決めたのではなく、お客様に受け入れていただけるかどうか、ということを考えて価格を決めましたので、立ち上げ時点ではハード単体での収益性が厳しくなります。とくにこの中間期には、まだWii Uは発売前のため、Wii Uソフト販売による利益が計上できない状況の中で、すでに製造を開始しているWii Uハードの逆ざや分の損失を計上する必要があったことから、ニンテンドー3DSの逆ざやが解消しているにもかかわらず、第2四半期に損失が拡大するという状況になっています。
これらのことから、今期の業績予想においては、業績の回復は見込んでいるものの、今期中に任天堂らしい利益水準を取り戻すとは申し上げられない状況です。

来期には、任天堂らしい利益水準を取り戻せるよう、「この年末に、ニンテンドー3DSを日本だけでなく、海外でも普及の勢いを加速し、ニンテンドーDSの後継機としてのあるべき流れを作る」こと、「Wii Uを世界各地で発売し、年末商戦期に勢いを得ることはもちろん、年明け以降も普及の勢いを維持する」こと、「デジタルビジネスを展開し、ビジネス構造を時代に合わせて変革し、ビジネスの効率を高めて収益を拡大する」ことにより、この目標の実現可能性を高めるべく、努力してまいります。

 


ご清聴、ありがとうございました。

 



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