7 | 来期に営業利益1,000億円を目指したいとのことだが、過去において決算説明会のような場で来期以降の業績見通しを話された際、その後の本決算発表時に公表される実際の来期業績予想の数字にはそれが反映されていないということが何度かあったかと思う。今回はコミットメントとおっしゃっているので、為替の前提条件などが変わらない場合、来期の業績予想に反映されると考えていいか? また、株主還元の考え方についても聞きたい。業績の低迷が長引いてきているので、来期の業績回復が達成できるまでの間に、つなぎの意味も含めて投資家還元を考えているようなことがあるか、方針が変わっているかを確認させてほしい。 |
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岩田: まず、今回、来期の営業利益1,000億円を私がコミットメントと申し上げたのは、当然のことながら来期の業績予想に、為替の前提が変わらない限りそれを反映させるという意味でございます。そうでなければ、コミットメントという言葉は使いません。 それから、株主還元については、任天堂は連結配当性向50%、または連結営業利益の33%を配当総額とするというポリシーをここしばらくずっと続けておりまして、それは、業績が良かったときには株主還元策として先進的であるとご評価いただいていたと自負しております。一方で、このように業績が思わしくない状況が続きますと、株主還元が十分でないというご批判があることも理解しております。株主還元がどのような形であるべきかということはいつも考えるわけですが、「業績が振るわないときにもどんどん還元する」ということをもし決めるということは、「業績が良かったときに以前と同じように還元することができにくくなる」ということも同時に意味いたします。特に昨今、私たちのビジネスの中で展開しているプラットフォームを、世界中でしっかり受け入れていただく状況を確立するということに対してのビジネスリスクは、ますます大きくなっております。今回、このような状況になっても未来を見据えて中長期的な判断の下に経営ができるのは、私たちの財務体質が強固であるからですので、原則的には現状の株主還元方針を今後も維持したいと思っております。しかしながら、さまざまなご意見を頂戴いたしておりますので、今後ともどういう方法がベストであるのかということは考え続けたいと思います。 |
8 | 来期1,000億円の営業利益を目標とされているが、達成できない場合の戦略は? また、達成できなかった場合、その責任は取られるか? |
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岩田: まず、達成できない場合のことを考えるよりも、どうやって達成するかを考えるのが私の仕事ですので、今の質問に直接お答えする答えではないかもしれませんが、それがいかに確実になるようにするかというのが私の仕事だと思います。その意味で言えば、ニンテンドー3DSに関しては、日本と同じような流れをいかに海外でつくるか、すなわち、海外で密度が高く有力なソフトを出して、ニンテンドー3DSそのものの勢いを変えて、その結果「ハードの販売は上向き、ソフトが売れる」という循環をつくるというのがポイントです。それから、Wii Uに関しては、年の序盤に関しては、すぐに有力なタイトルがあるわけではありませんので、少しお時間をいただきますが、夏以降ソフトが充実してくる時期に向けてしっかりと魅力をお伝えし、流れを大きく変えるということを目指すことになります。 二つ目のご質問ですが、そのご質問への答えは、私がコミットメントという表現を使ったことで、すでにご理解いただいているかと思います。 |
9 | 来期(営業利益)1,000億円コミットメントということだが、今期はハードのマーケットサイズが非常に縮小している状況にある。来期1,000億円というのはマーケットサイズの前提をどう考えての1,000億円なのか? (マーケットサイズについて)今期並みと見ているのか、ある程度拡大すると見ているのか、あるいはこれから引き続き縮小する状況が続くという前提なのか教えてほしい。 |
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岩田: 当然のことながら、今期と同じ数量しかニンテンドー3DSが売れないのであれば、ソフトの販売の伸びも限定的になりますので、その状況では(目指している営業利益水準を)達成できないということになると思います。したがって、現状における海外のニンテンドー3DSの販売数量は、ポテンシャルに対して十分な結果だとは全く思っていません。それは外的要因ではなく、私たちの商品の魅力を十分にお伝えし、そして、ニンテンドー3DSというプラットフォームを選んでいただくということがうまく実現できなかったということだと理解しておりますので、私たちのハードの販売を今期より拡大させるというのが当然の目標になります。 |