株主・投資家向け情報

Nintendo E3 アナリストブリーフィング
プレゼンテーション

さて、今日の冒頭にレジーがお話ししたように、このプレゼンテーションは、投資家やアナリストの皆様がお知りになりたいであろうことを私なりに考えてお伝えしているつもりですが、今、よく聞かれるいくつかの質問についてお話ししたいと思います。


それは、「スマートデバイス時代にゲーム専用機の未来をどう考えるか」についてです。
NPDデータが毎月発表されるたびに、業界全体の販売が前年に比べて減少していることを、スマートデバイスの影響と分析されている方が多いようですし、とくに携帯ゲーム機については、その影響が大きいとお考えの方が多いと思います。


これは、NPDのデータを用いて、3月と4月の売上高ベースの前年比較をプラットフォーム別にまとめたものです。
業界全体の売上は、3月が前年から10%減少、4月は25%減少となりましたが、プラットフォームの世代交代に伴う売上の減少の中で、決して満足できる水準ではありませんが、ニンテンドー3DSは、ほかのプラットフォームとは明らかに異なる傾向を示しています。 スマートデバイスの普及により、ゲーム専用機の未来を悲観的に考えるならば、構造的に携帯ゲーム機が一番影響を受けるはずですが、必ずしもそうなっていないのがこのデータからわかります。


昨日のNOKIAシアターでのBusiness Partner Presentationにおいて、NOA(Nintendo of America)の Kevan Wilson が、このようなスライドを使って、携帯型ハードの売上は、スマートデバイス登場前よりもむしろ増えており、またその中での任天堂の存在感は増している、ということをご説明しました。 同じ話を繰り返すのはみなさんも退屈されると思いますので、ニンテンドー3DSの普及が先に進んでいる日本の市場の話をしたいと思います。
頻繁に日米を行き来する自分自身が実感しているのですが、スマートデバイスの普及は、日本よりもアメリカが先行していたと思います。しかし、日本でも2012年はスマートデバイスの普及が爆発的に進んだ年で、まさにスマートデバイスの普及は社会現象と言えるものでした。


※2008年のニンテンドーDSの販売台数が500万台を超えたという記載をスライドおよび本文に行っておりましたが、誤りでした。事実と異なりましたことをお詫びして訂正いたします。(該当箇所修正済み)

これは、日本で、各暦年のハードの販売数を示すグラフですが、ニンテンドー3DSは、その2012年に年間550万台以上を販売しています。ちなみに、日本で年間500万台以上ハードが売れたのは、ニンテンドーDSの2006,2007年のほかは、ニンテンドー3DS以外にはありません。そして、今年についても、これまでの販売ペース、そしてこれから『モンスターハンター』や『ポケモン』が予定されているソフトウェアの発売予定から考えて、ニンテンドー3DSは500万台以上売ることが十分に可能なペースで推移しています。 ちなみに、歴史的によく売れたと言われているプラットフォームでも、ゲームボーイアドバンスが最も売れた年が2001年で400万台あまり、PS2が最も売れた年である2000年で400万台弱、Wiiが最も売れた年の2007年がほぼ同じ水準、『モンスターハンター』の爆発的な人気でPSPが最も売れた2008年でも350万台あまりです。このように、日本における年間500万台以上という販売実績は、歴史的に見ても、非常に高い水準と言えます。
このデータを見ると、「スマートデバイスが普及すれば、携帯ゲーム専用機は必要とされないのではないか」という仮説は、少なくとも日本では大きく事実と異なっています。私たちは、アメリカやヨーロッパでも、今年、ニンテンドー3DSで結果を出し、携帯ゲーム専用機の未来の可能性を証明するつもりです。


また、6月末の株主総会で、経営陣の世代交代を行うことを発表しました。この変更により、取締役の平均年齢は、7歳ほど若返ることになります。今まで、投資家やアナリストの皆様との窓口になっていた、退任予定の専務取締役、経営統括本部長の森の後任は、NOAのCEOを務めていた君島が務める予定で、IRについては、私と君島が分担する形を予定しています。
私自身が、NOAのCEOを兼務することも発表しましたが、この背景は、日本で先行したニンテンドー3DSの活性化をアメリカでも実現すること、Wii Uの再活性化、デジタルビジネスの推進と、これまで以上に日本の本社とNOAが連携を深め、速いスピードで前進するために、当面このような経営体制をとることがベストであると判断したためです。
この新しい経営体制で、今期目標を達成するべく、最大限努力してまいります。


ありがとうございました。



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