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第3号議案には賛成しかねる。取締役候補者がすべて男性だが、世の中の市場は半分が女性であり、女性の心や機微を果たしてつかんでいけるのか、市場を拡大していけるのか疑問に思う。また、自分はパソコンも携帯電話もスマホもやらないが、そういう人を含めた多様なユーザーの意見をどのように反映していくつもりであるのか。 |
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取締役社長 君島達己: 取締役候補者に女性がいないということについて、当社は、取締役候補者を性別、年齢、国籍などにかかわらず、当社のかじ取りをする上で最善の体制となるべく選定しており、定年制の導入なども考えていません。本総会終了の時点で、取締役、執行役員には女性はおらず、また外国人という意味ではアメリカ人であるレジナルド・フィサメ(米国任天堂社長)が執行役員となるだけですが、社員としては当社では多くの女性社員が活躍しており、海外子会社にも多数の女性スタッフがいます。経営陣としても、こうした社員の意見をうまく吸い上げながら、女性の視点やグローバルな視点も反映した商品開発、会社運営を行ってまいりたいと思います。 当社は女性も含めました多くのお客様に、製品を楽しんでいただいています。そういう観点から、今後も多くの方から、さまざまなご意見を伺ったり、その観点から商品を開発したりしていくということは極めて大事だと思っています。 今回、上程させていただいた取締役候補者の中には女性はいませんが、今後、女性の方にもどんどん活躍していただき、任天堂の将来を引っ張っていただけるように、私たちも精一杯努力していきたいと思います。 |
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バランスシートを見ると、日本の上場企業の中では1、2を争うのではないかというような優良企業だが、株価が如実に今の現実を表していると思う。株価は、株主の投資の責任であり、会社の執行部の責任ではないが、執行部は企業価値向上に努める義務があると思う。そこで、新世代のVR(Virtual Realityの略で、仮想現実などと訳されている)はどうなっているのか、参画もしないのかという点を問いたい。参画しなくても、ありとあらゆることをやっていく必要がある。また、取締役を見ていると、年齢が高すぎるような気もする。若手もできるだけ執行役員などに入れて活性化し、山内さんのような経営はできないかもしれないが、少しでも企業価値向上に努めてほしい。 |
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君島: まずVRについてですが、他社さんがVRのテクノロジーを使ったゲームの関連製品を発売されたり、お客様が関心を持たれたりしていることは認識しています。現時点では具体的なお話をすることはできませんが、当社も有望な技術として、関心を持って研究をしているということを、まずご理解いただきたいと思います。 当社の企業価値を高めていくためには、さまざまなことに挑戦していかなければいけません。そのため、例えばIP(知的財産)を積極的に活用していくプロジェクトや、QOL(Quality of Life~生活の質を楽しく向上させる商品開発)についても、引き続き研究を続けています。新しいゲーム専用機であるNX(開発コード名)につきましても、来年3月の発売を目指して、鋭意準備を進めているところです。このような新しいプロジェクトを着実に実現することによって、ご指摘いただいたような企業価値を着々と向上させていきたいと思います。 また、執行役員についても触れていただきましたが、今回は、経営の意思決定と監督、業務の執行責任を明確にするため執行役員制度を新たに設けました。執行役員には適切に権限を委譲し、専門的な執行ができる人材をどんどん活用することによって、新たな挑戦に確実に向き合っていきたいと思っています。 新しい体制のもと、私たちは企業価値の向上に向けてさまざまな挑戦を行ってまいりますので、引き続きご支援賜りますようにお願い申し上げます。 |
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イギリスがEUから離脱というニュースが入っているが、このまま離脱になった場合、任天堂にとって影響があるのかないのか、あるとしたらどのような対処方法を検討していくのか。 |
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君島: 現在、離脱という投票結果を受けて、株式市場や金融市場が不安定な状況になっています。EUからの離脱の決定、また手続きが進められていく中で徐々に金融市場なり、為替相場が収斂(しゅうれん)していくとは思いますが、今の段階では円高に動いていることは明らかです。 その面において任天堂の保有する外貨資産の評価は前期末に比べて円高に進むと為替差損が発生し、収益的に影響が出てくる可能性があると思います。今後、どのような状況になるのか十分に注意して見ていきたいと思います。 その他想定される影響は、当社はイギリスに拠点を置き、そこで販売をしています。税制面、商品に対する安全規格やルール、個人情報の保護など、さまざまな取り決めがヨーロッパの中で一つのEUとして成り立っていますが、(EUからイギリスが離脱することになった場合)どのようにその取り決めが変更されるのか、まだまったくわからない状況です。今後の動向を十分注視していきながら、適切に対応するよう準備を進めていくことが、当面の対応だと考えています。 |