罪と罰　宇宙の後継者：世界観/ストーリー：バックグランドストーリー前編

「私が…外宇宙生命体？」少女の言葉を聞いて、イサは初めて笑うのをやめ、少し眉をひそめる。「何も…覚えていないわ。」悪びれずに見え透いた嘘を言い放つ生命体に、イサはかすかにイラついたような表情をする。「ヒトだっていうなら、何だってこんな荒れ果てた場所に一人きりで居るんだ？」「…任務があったはずなの。」そんなイサの皮肉にまるで気づかないのか、少女は続ける。「ヒトの調査という任務が。でも、何のためにそれをするのか、調査して誰に報告すべきなのか、何も思い出せないの。ただ…」少女は、初めて少し視線を伏せる。「『ヒトの調査』をする、ということは、確かに私はヒトではないのでしょうね。」