世界観/ストーリー

バックグランドストーリー 前編

イサは、少し驚いた。この尖兵は嘘をつこうとしているのではないような気がしてきていた。本当に記憶を失っているのか?それとも…「じゃあ、なぜ『そんな姿』をしている?」イサは、できるだけ厳しい口調を心がけて少女に問い詰める。少女は、自分の姿を改めてまじまじと見て、「何か…変?ヒトは排他的意識が強いという記録があったから、この姿なら攻撃されないと思って安心していたのだけど。」イサは、不覚にも再び笑ってしまった。正直すぎる馬鹿なのか?それとも、これを演技でやっているのならば、そうとうの強者だ。だが、イサとて長年戦いの中に身を投じてきた「内宇宙兵士」であったし、「外宇宙生命体」と対峙するのは何もこれが初めてではなかった。自分の生命に迫る危機を察知する能力は、きちんと備えていたし、むしろその本能は、どんなヒトよりも優れていると自負していた。

»

«

  • ストーリー
  • バックグランドストーリー 前編
  • バックグランドストーリー 後編