世界観/ストーリー

バックグランドストーリー 後編

「逃げたりしないから、安心して。」「別に、そんな心配はしてなかったぜ?」カチに心外な指摘をされて、少しむっとして言い返す。外宇宙生命体に信頼を疑われることが、なぜこんなに不快に感じるのか、少し自分を不思議に思いながら。「ほら、見て。」カチは、イサが今夜の休憩場所に選んだ、瓦礫の影の傾いたベンチの上に戦利品を広げる。壊れた時計、まがったフォーク、意味不明の文章が書かれたメモ帳、裾の破れた服…何の価値もなさそうに思えるそれらを、カチは一つ一つ手に取り、じっと観察する。「これが今日のお勧めよ。」広げたのは、日に焼けた新聞紙。変色して、見えなくなっている箇所も多い。「電子化されていないメディアもあるのね。」うれしそうに広げる。

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