世界観/ストーリー

バックグランドストーリー 後編

頭をかきながら、ぽつりぽつりと続ける。「神を信じるな、聖女を信じるな、自分の力で未来を切り開けってね。」「お母さんが…いるのね。」確認するように、たずねる。「そりゃそうさ!」「お母さんはどこにいるの?」「さあな。今頃はどこにいるのやら…。…でも、どこにいたってそのうち、また会えるだろ。時がきたら。」何だかまるで、恋人のことを話すように愛しそうな顔で微笑んで語る、イサの幼い横顔を見て、カチは、これが『ヒト』なのだと何となく思った。『これ』が何なのかは、まだよくわからなかったけれど、その不思議な何かに強い憧れを抱かずにはいられなかった。「…さぁ、もう寝よう!」雰囲気に耐え切れなくなったイサが大きな声で叫んだ。「ヒトにとっちゃ、もう起きてるのがつらい時間だ。今度は邪魔しないでくれよ?」

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