世界観/ストーリー

バックグランドストーリー 後編

―呼び出し― 傾いたベンチの上に横たわり、頭上に広がる宇宙を眺めながら、イサは、一人先ほどのことを思い返していた。隣に横たわるカチは『眠るフリをする』と言っていたが、本当に寝ているように見える。けれど…このカチは…母親が『聖女』と呼んでいた、あいつらの仲間なのだ。母は、あまりそのことを話したがらなかったから、母との間に何があったのか、詳しくは知らなかったけれど、戦士となるための訓練所で、その『聖女』とか呼ばれた奴のせいで、自分たちが故郷を失ったことは学んでいた。正直なカチも、自分がヒトではないことを隠そうとはせず、たとえば怪我をしてもすぐに治るし、本当の姿ではないから、胸を貫かれたくらいでは死なないことを教えてくれた。

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