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はるか昔、世界は混沌としていた。

人々の平和を守り、慈しむ神。
暗黒のなかから、人々を脅かそうとする魔王・サタン。
地上に住む人々は、神をあがめ、
魔王におびえながら暮らしていた。

神と魔王は対立していたが、その力は五分と五分。
世界は、混沌としながらも
バランスを保ちながら動いていた。

侵略と破壊。
それが魔王の目的であり、世界を手に入れること、
それが魔王の願いであった。

しかし、自分の力だけでは神を倒すことができない。

魔王は、忠実な、
そして邪悪な力を持った六匹のしもべに命じた。
神を倒し、世界を手に入れることを。

世界はまだ静かだったが、そのバランスは、
徐々に暗く傾いていった。

その日、暗闇のなかから舞い上がった魔王たちは、
神の住む天空城をめざした。

魔王の攻撃を知った神は勇敢に戦った。
だが、魔王とそのしもべの前に、
その差は圧倒的だった。

一週間に渡る戦いの末、
傷ついた神は天空城に逃げ込み、
最後の力を振り絞ってその居城に結界を張った。
それが、戦いで力を消耗した神にできる、
唯一のことだった。

神は、傷を癒し、
力を取り戻すために深く長い眠りについた。

世界から、神の力は消滅したのだ。

すでに対立するものはなく、
魔王たちは心おきなく地上を侵略した。
神の加護を失った人々は、
魔王たちの前に為す術もなく逃げまどい、やがて、ほとんどの人々が魔物に変えられてしまった。

魔王は地上を六つに分け、それぞれを六匹のしもべに支配させた。
地上は荒れ果て、かつて、神をあがめるために作った石像だけが、
人々の存在したことを物語っていた。
地上が悪魔の手に落ちて数百年後、天空城で静かに横たわっていた神が目を覚ました。

だが、魔王との戦いで受けた傷は癒えたものの、
人々が絶滅し、信仰心が消えた今となっては、昔のような力は残っていなかった。

神は嘆いた。
地上を、人々を魔王に奪われたことを。
自分に力がなかったことを。

深い悲しみのなかで、神は魔王を倒し地上に平和を取り戻すことを決心した。

やがて結界を解いた天空城は、滑るように空を動き始めた。
地上にうごめく魔の力を倒すために……。

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