私の名前は前田葉子。今度の四月で女子高の一年生になります。 お父さんの田舎で、おばあちゃんの七回忌があるため、私たち家族三人は四年ぶりに田舎の本家に帰ることになりました。 この日、いつもは遠くに散り散りになっている親戚一同が集まりました。 従兄弟のTVプロデューサー泰明さん、 埼玉の大病院の看護婦をやっている正美おばさん、 本家の小学生良夫、 良夫のおかあさんの和子おばさん、 フリーターの由香里ねえさん、 そして冒険家の哲夫おじさんもいます。 |
七回忌も無事終わり、夜になって自然といくつかのグループに別れ、積もる話に花を咲かせました。 「七回忌で怖い話をすると死者が蘇るっていうよな」泰明さんの一言から、私たちは怖い話をすることになり、使われていない客間に移動しました。 「それにしてもみんな、この部屋がどうして使われてないか知ってるの?…ここって出るのよ」 和子おばさんのその一言が口火を切り、暗く長い夜は静かに更けてゆくのでした…。 |