はじめまして。『幻影異聞録♯FE』のチーフディレクターを担当するアトラスの平田弥です。
過去には『ラジアントヒストリア』のディレクター、
『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』のディレクションサポートなどを担当してきました。
正式タイトルを発表してから2か月ほど……皆さん、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
かくいう僕も「まさか『ファイアーエムブレム』のコラボがこんな形になるなんて!」
とビックリしてます。作った本人ではありますが。
思えば25年前、『ファイアーエムブレム』と初めて出会ったあの頃を思い出します。
まるで某名作劇場アニメを彷彿とさせるような、柔らかなタッチのパッケージデザイン
……と思いきや、
「パソコンで数々の硬派なロープレをこなしてきた俺にはヌル過ぎるだろ、これ!」
とイキがってた若造の僕を見事に打ち砕いたゲーム性。
仲間をロストするたびに「お、鬼や……ッ!」と呟きながらプレイし、
結局最初の一度目は、手持ちの仲間が足りず、どうしようもない戦力不足に
泣きながらゲームを頭からやり直し……。
羊の皮を被った狼……
「そっかこういう時に使う言葉か! 先人たちは良いこと言うなぁ〜!! あはははは!!」
とやけっぱちになりながら何度もリセットボタンを押す日々。
リセット→ふて寝→ご飯食べる→再チャレンジ→リセット→ふて寝→
お風呂入る→再チャレンジ→リセット……を延々と繰り返し、
嘆きながらも何度もプレイしてしまう恐ろしい程の中毒性に完全にヤラレたものです。
これが、僕の貴重な青春時代を削り取ってくれたゲームとの出会いでした。
その後も運命は繰り返され、スーパーファミコンでは本気でリセットボタンが壊れて
本体を買い直す羽目になり、ゲームボーイアドバンスでは敵の二、三手先の行動を
読んでいるうちに電車を乗り過ごし気付けば終点駅……。
タクシーで自宅に帰ったのも、今では良い思い出です……あはは……。
と、ここまで書いておいて告白しますが……
実は僕、シミュレーションゲームがちょっと苦手だったんです(苦笑)
「……おいっ!!」と総ツッコミ受けそうな告白ですよね。
でも『ファイアーエムブレム』は好きなんです。それは何故かというと……。
『ファイアーエムブレム』登場以前、いわゆる「シミュレーションゲーム」というジャンルは、
「結果的に勝てば良い。その過程はあまり重視しない。
局地的な一手よりも勝利に導くための戦術が重要」というゲーム性が大半だったように思います。
なので、ユニットをあまり大事にせず、戦局のために大量投入して数で押し切る!
みたいな展開が多くて……。僕には、どうにもこの発想が苦手でした。
ところが『ファイアーエムブレム』はシミュレーションでありながら全く異なるアプローチ。
ユニットへの偏愛が大事! 死んだら元に戻らない!数の論理では勝てない!
むしろ勝利よりも(例え弱くても)自分の好きなユニットで
戦いを切り抜けるからこそドラマが生まれる!
……痺れました。プレイしていて、気付いたらユニットを1マス移動させるたびに、
敵を攻撃するたびに、脳内で勝手に物語を作ってる自分がいたのです。
「くっ! ドーガ亡き今、この城壁はアーマーナイトの俺が引き受ける! 皆は回り込んで奇襲を!」
「ロッ、ロジャァァァ!」
「この山を越えられるのはペガサスナイトの私だけ!
早くみんなのもとに駆けつけないと! 仲間の命がっ!」
なんて調子です……ちょっと痛いですね。
でも、これが『ファイアーエムブレム』の醍醐味だと思うのです。
キャラクター性を大事にするのは、僕たちアトラスが作るゲームにも
共通する要素なんじゃないかと思います。
そういう意味では、『ファイアーエムブレム』とアトラスのコラボって、
実はなるべくしてなったんじゃないか! とも思えてきます(笑)
そんな愛憎入り混じった、一言では表せない、思い入れありまくりなタイトルなわけですが、
気づけば、プレイする側から作る側に……。運命なんですかねコレ。
僕の青春を弄んだファム・ファタール! 待ってました! 積年の恨み!
……じゃなかった長年の想い人にやっと巡り合えたような感慨深さがありましたが、
開発当初から数年の変遷を経て、今、皆さんの前にお見せしている映像に、
僕なりの「25年間の思い」が結実しています。
どんな変遷だったのか、実際のゲーム内容はどういうものなのか、などは
今後、順次お話できたらと思います。
今回は、まずは僕の『ファイアーエムブレム』への思いのたけを語らせていただきました(笑)。
最後に、開発中の画面をちょこっとだけ……
これは、とあるダンジョンの一場面です。
4月2日の「Nintendo Direct」で発表したPVでもちょっとだけ出てきてますが、
見比べてみると変化しているのが分かるでしょうか?
床の質感向上やオブジェクトの増加……などなど。
4月2日のPVがファイナルイメージではありません。
今後も少しずつクオリティーを上昇させていきますので、お楽しみに!
と、いう感じでスタッフ一丸となって鋭意開発中の『幻影異聞録♯FE』。
近々に皆さんへ新たな情報をお出しできるかと思いますので、続報にご期待ください!
過去には『ラジアントヒストリア』のディレクター、
『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』のディレクションサポートなどを担当してきました。
正式タイトルを発表してから2か月ほど……皆さん、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
かくいう僕も「まさか『ファイアーエムブレム』のコラボがこんな形になるなんて!」
とビックリしてます。作った本人ではありますが。
思えば25年前、『ファイアーエムブレム』と初めて出会ったあの頃を思い出します。
まるで某名作劇場アニメを彷彿とさせるような、柔らかなタッチのパッケージデザイン
……と思いきや、
「パソコンで数々の硬派なロープレをこなしてきた俺にはヌル過ぎるだろ、これ!」
とイキがってた若造の僕を見事に打ち砕いたゲーム性。
仲間をロストするたびに「お、鬼や……ッ!」と呟きながらプレイし、
結局最初の一度目は、手持ちの仲間が足りず、どうしようもない戦力不足に
泣きながらゲームを頭からやり直し……。
羊の皮を被った狼……
「そっかこういう時に使う言葉か! 先人たちは良いこと言うなぁ〜!! あはははは!!」
とやけっぱちになりながら何度もリセットボタンを押す日々。
リセット→ふて寝→ご飯食べる→再チャレンジ→リセット→ふて寝→
お風呂入る→再チャレンジ→リセット……を延々と繰り返し、
嘆きながらも何度もプレイしてしまう恐ろしい程の中毒性に完全にヤラレたものです。
これが、僕の貴重な青春時代を削り取ってくれたゲームとの出会いでした。
その後も運命は繰り返され、スーパーファミコンでは本気でリセットボタンが壊れて
本体を買い直す羽目になり、ゲームボーイアドバンスでは敵の二、三手先の行動を
読んでいるうちに電車を乗り過ごし気付けば終点駅……。
タクシーで自宅に帰ったのも、今では良い思い出です……あはは……。
と、ここまで書いておいて告白しますが……
実は僕、シミュレーションゲームがちょっと苦手だったんです(苦笑)
「……おいっ!!」と総ツッコミ受けそうな告白ですよね。
でも『ファイアーエムブレム』は好きなんです。それは何故かというと……。
『ファイアーエムブレム』登場以前、いわゆる「シミュレーションゲーム」というジャンルは、
「結果的に勝てば良い。その過程はあまり重視しない。
局地的な一手よりも勝利に導くための戦術が重要」というゲーム性が大半だったように思います。
なので、ユニットをあまり大事にせず、戦局のために大量投入して数で押し切る!
みたいな展開が多くて……。僕には、どうにもこの発想が苦手でした。
ところが『ファイアーエムブレム』はシミュレーションでありながら全く異なるアプローチ。
ユニットへの偏愛が大事! 死んだら元に戻らない!数の論理では勝てない!
むしろ勝利よりも(例え弱くても)自分の好きなユニットで
戦いを切り抜けるからこそドラマが生まれる!
……痺れました。プレイしていて、気付いたらユニットを1マス移動させるたびに、
敵を攻撃するたびに、脳内で勝手に物語を作ってる自分がいたのです。
「くっ! ドーガ亡き今、この城壁はアーマーナイトの俺が引き受ける! 皆は回り込んで奇襲を!」
「ロッ、ロジャァァァ!」
「この山を越えられるのはペガサスナイトの私だけ!
早くみんなのもとに駆けつけないと! 仲間の命がっ!」
なんて調子です……ちょっと痛いですね。
でも、これが『ファイアーエムブレム』の醍醐味だと思うのです。
キャラクター性を大事にするのは、僕たちアトラスが作るゲームにも
共通する要素なんじゃないかと思います。
そういう意味では、『ファイアーエムブレム』とアトラスのコラボって、
実はなるべくしてなったんじゃないか! とも思えてきます(笑)
そんな愛憎入り混じった、一言では表せない、思い入れありまくりなタイトルなわけですが、
気づけば、プレイする側から作る側に……。運命なんですかねコレ。
僕の青春を弄んだファム・ファタール! 待ってました! 積年の恨み!
……じゃなかった長年の想い人にやっと巡り合えたような感慨深さがありましたが、
開発当初から数年の変遷を経て、今、皆さんの前にお見せしている映像に、
僕なりの「25年間の思い」が結実しています。
どんな変遷だったのか、実際のゲーム内容はどういうものなのか、などは
今後、順次お話できたらと思います。
今回は、まずは僕の『ファイアーエムブレム』への思いのたけを語らせていただきました(笑)。
最後に、開発中の画面をちょこっとだけ……
これは、とあるダンジョンの一場面です。
4月2日の「Nintendo Direct」で発表したPVでもちょっとだけ出てきてますが、
見比べてみると変化しているのが分かるでしょうか?
床の質感向上やオブジェクトの増加……などなど。
4月2日のPVがファイナルイメージではありません。
今後も少しずつクオリティーを上昇させていきますので、お楽しみに!
と、いう感じでスタッフ一丸となって鋭意開発中の『幻影異聞録♯FE』。
近々に皆さんへ新たな情報をお出しできるかと思いますので、続報にご期待ください!