1-1 | ハードウェアの考え方について聞きたい。今、世の中には二つの流れがあり、一つはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に代表される共通のスマートフォンというプラットフォームで伸びていくという流れと、もう一つは、当社のように独自のハードウェアで世界観を表現する流れ。グーグルやアマゾンのようにコンテンツ中心の会社も、ハードに興味を持って独自のハードウェアをつくり出そうという流れもある一方で、今勢いが強いのが、フェイスブックやツイッターのようなSNSに代表される会社だと思う。今回当社がハードウェアを値下げすることによって、さらに普及を加速させることは、どういう意味を持つのか。また、今後、多額の販促費を使うという、岩田社長が描く任天堂のゲーム観というのをいま一度教えていただきたい。 |
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1-1 | 岩田: 任天堂の業績があまり芳しくない状況が続き、皆様の期待にお応えできていないことの原因として、スマートフォンの影響ということが非常によく語られるようになりました。このことにつきましては、その関係がどのようであるのか、あるいはソーシャルゲームがどのように私たちの業績に影響を与えているのかということについて、私たちなりに因果の有無について繰り返し調べておりまして、つい最近も調べたのですが、これまでと同じように、因果となるものは確認されませんでした。これについては、これまで何度も申し上げてきました(※1)ので、今日は改めて申し上げません。 |
1-2 | 『マリオカート7』など、ビッグタイトルの話は出ているが、一方で、私の所有するニンテンドー3DSの中の『すれちがいMii広場』にいる300人弱のMiiがとらわれの身になっていて、全く動いていない。人と人とのつながりを実感できるようなソフトというのは、近い将来出てくるのか。 |
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1-2 | 岩田: 『すれちがいMii広場』で、「もうやることがなくなってしまった」とおっしゃる方もかなりいらっしゃると聞いておりますので、近い将来、『すれちがいMii広場』でまた、「ああ、こういうことがやれるようになった」と思っていただけることはもちろん用意しており、これは年内に(お届けすることを)考えています。 |
2 | ゲーム機の成功というのは、ユーザーとソフトメーカーと小売店を三位一体で考えなければいけないと思う。今回1万円という、かなり勢いのある値下げを発表したことでユーザーから見ると買いやすくなったが、ソフトメーカーと小売店はどうなのか。小売店に関して言えば、1万円値下げをしたので、1台売った時の利幅が減ったり、値下げのしわ寄せは発生すると思うが、小売店に対して今回、任天堂から何か配慮や施策は打ち出されているのか。ソフトメーカーについては、最近、DSの時に比べると6,000円を超える3DSのソフトがよく見られ、値段が高いという印象を持っているが、例えばサードパーティーに対して製造委託費を考え直して引き下げて、サードパーティーが例えば4,800円で出せる、お求めやすい価格で市場に出せるような配慮をしているのか、ソフトメーカーと小売店に対する施策はあるのかという点について説明してほしい。 |
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2 | 岩田: 値下げの発表をしてから、日本でも海外でもそのことが伝わり、当然、それは私たちのビジネスパートナーであるソフトメーカーさんや小売店さんに伝わりました。当社の国内営業部門や、それぞれの現地の当社子会社の担当者が、発表後にコミュニケーションをいたしましたので、まず、今回の値下げについて、ソフトメーカーさんや小売店さんは大変ポジティブであったということについては申し上げておきたいと思います。 |