6 |
任天堂は「一物一価のパッケージゲームによって、子供たちを中心に安心してゲームを遊べる市場をつくりだした企業」と認識している。今回のスマートデバイスのゲームで、そういう安心という面で、子供たちにどういうふうに遊んでほしいと考えているか。一方で、コンソールゲームを展開できない国でもスマートデバイスなら展開できる可能性があるかと思うので、「どの国でどういう方に遊んでほしい」といったイメージがあれば聞かせてほしい。 |
---|---|
6 |
岩田: 任天堂ブランドの中には「子供さんに安心して与えていただける」というような信頼が過去30年以上の間に積み上がってきていて、これは任天堂のとても大切な財産だと思っていますので、「こういうお客様からの信頼を維持できるようにしたい」「それを壊すようなことは絶対にしたくない」と思っています。
|
7-1 |
DeNAさんと資本提携する任天堂の戦略的目的は何か。そして、資本提携の目的を達成するための課題は何か。また、新しいプラットフォーム「NX」についてこの場で発表した目的は何だったのか。 |
---|---|
7-1 |
岩田: DeNAさんと、スマートデバイス上での展開に関しては「かなり深いところで一緒に中期・長期で考えていきましょう」ということをお話ししておりました。それは「このような業務提携をしましょう」という紙の契約上だけのものだけではなく、資本の関係まで持つぐらいの、お互いにお互いの経営にしっかり興味を持ち、そして日常的にさまざまな案件を優先的にやり取りしながら、DeNAさんも任天堂も、私たちが取り得る種々の戦略オプションをより深く、緊密にお話しするためには資本提携までする価値があるだろうという判断からです。どちらか一方が提案したというよりも、話が煮詰まるにつれて両社で「ここまでいくならこれぐらいの関係になった方がいいですかね」、「ではこういう形にしましょう」というような話し合いを経て今日の発表に至っております。
|
7-2 |
全体としての任天堂の大目標である「ゲーム人口の拡大」については変更が無く、その一手段として今回の提携があり、新プラットフォームの発表があったという理解でいいか。 |
---|---|
7-2 |
岩田: 全くその通りです。先ほどのプレゼンテーションではスライドで例示しましたが、個々のIPの特性に合わせて柔軟に最適な手段を選択し、任天堂IPに触れる人口を最大化することで最終的にゲーム人口の拡大を目指していく、そのためのスマートデバイス展開であり、そのための新しいメンバーズサービスの共同開発であり、そのための未来のゲーム機で、これらは全てつながっています。ですから、任天堂IPに触れる人が増えれば増えるほど、そのお客様が任天堂IPにご満足いただけて、そして好きになっていただければいただくほど、最終的に「生涯任天堂のゲームと付き合おう」と感じていただける人口は増えるはずだという、そのような姿を目指していきたいということです。また、任天堂は最近「娯楽の再定義をします」と申し上げておりますし、その娯楽の再定義によって「人々のQOL(Quality of Life)を楽しく向上させるものは何でも娯楽と呼んでいいはずだ」ということも申し上げておりますので、「ゲーム」というものをなるべく狭く考えずに、一回りも二回りも広くとらえるようにしたいと思います。これはニンテンドーDSの時代に脳を鍛えることがゲームになったり、Wiiの時代にリモコンを振ってスポーツをすることがゲームになったりしたのと同じことで、またそういう遊びを是非つくっていきたいと思っています。 |