これからも、ニンテンドーDSというプラットフォームを健全に発展させていくために、 すでに国民6人に1台の割合で普及するという前例のない段階に来た今、 DSをお持ちではない世帯にアピールするだけではなく、すでにDSをお持ちの世帯にでも、複数の家族の間で共有されているDSを自分専用にしていただき、「一家に1台」から「一人に1台」への流れを作りたいと考えました。

そこで、任天堂が新たに提案するのが、任天堂DSの新たなバリエーションであるニンテンドーDSiです。ニンテンドーDSiでは、数多くの新たな機能を追加しましたが、そのほかに、この間、DSに対していただいていたお客様の声を反映して改善した部分がありますので、その部分から説明いたします。
まず、より、いつでも持ち歩いていただきやすくするよう、耐久性を犠牲にしない範囲で、できる限りの薄型化に取り組みました。結果として、DS Liteと比べて約12%、2.6ミリの薄型化が実現できました。この結果として、ゲームボーイアドバンスのソフト差し込み口を廃止することになりましたが、ニンテンドーDSi発売後も、お客様の要望がある限り、DS Liteは引き続き販売しますので、ゲームボーイアドバンスのソフトをお楽しみになりたいお客様には、DS Liteをオススメしてまいります。

次に、少しでも画面を大きくしてほしい、との声にお応えして、画面の大型化に取り組みました。画面が2枚あり、かつ液晶そのものの面積が重さに関連するという制約の中で、いつでも持ち歩いていただけるように、DS Liteと変わらない重さで実現できるぎりぎりの大きさとして、今までの3.0インチから3.25インチと、面積では約17%大きくなりました。
また、地味ですが大きな意味のある改善と考えているのは、スピーカーの音量・音質の向上です。

本日、会場には実機を多数用意しておりますので、是非、お手にとってお確かめいただければと思います。

また、新たな機能として、カメラ機能やオーディオプレーヤー機能を搭載しました。
すでに、一部の報道でお聞き及びの方も多いと思いますが、カメラ機能やオーディオプレーヤー機能と聞いても、今の大抵の携帯電話には搭載されている機能ですし、こんな機能を本体に標準装備するなんて任天堂らしくないのではないか、あるいは、これらの機能が内蔵されることが、DSの今後の普及のために大きな意味があるとは思えない、というような印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。
ニンテンドーDSiで提案するのは、携帯電話に搭載されているのと同じようなツールとしての機能ではなく、生活の中にカメラやオーディオプレーヤーを持ち込んで、映像や音で遊び、楽しんでいただくという、ゲーム機で生活を豊かにするという提案です。

カメラ機能は、画素数をどんどん高めてアピールするというカメラや携帯電話が目指した方向とはある意味真逆の方向に進化させたもので、解像度こそ30万画素と低いのですが、本体に搭載されているカメラ機能を実現するソフト「DSiカメラ」は、写真をどんどん撮って記録するというカメラとしての基本機能の他に、11種類のカメラを選んで、さまざまな特殊効果をリアルタイムに楽しんで撮影する機能、全体を白黒にして特定の場所だけを色づけする機能や、タッチした場所を別の色に置き換える機能、事前に用意したフレームとの合成写真を作ったり、フレームそのものを作ったりする機能、写真の上に自由に落書きをする機能、搭載されている顔認識エンジンを使って、顔にヒゲやメガネなどのいたずらパーツを貼り付けたり、顔の表情を変化させたりする機能、二人の顔を合成してその割合を自由に変化させたり、顔認識エンジンで二人の顔の似ている度合いをチェックするなど、多彩な機能が、任天堂らしいユーザーインターフェースで実現されています。


このようにDSiカメラは、2画面、タッチパネルというDSの特徴を活かして、カメラ機能を思い切り遊びの方向に振ったものと考えていただくと良いと思います。

これにより、任天堂は、身の回りの生活の中で、写真で遊び、それを日付順に整理された状態で持ち歩く、という新しいライフスタイルを提案します。
ニンテンドーDSiは、ご覧のような写真手帳としての機能があり、スライドショーを見るための写真立てにもなります。

ニンテンドーDSiは、子供達にとっては生まれて初めて所有するカメラになるでしょうし、女子中高生にとっては友達との交友を記録する写真手帳として持ち歩くもの、になると思います。大学生やヤングアダルト層にとっては、食事や宴会の場で盛り上がるためのツールにもなり得るでしょう。ミドルやシニアにとっては、自分の趣味やお孫さんの成長を写真日記にするツールと考えていただいても良いかも知れません。

内蔵されているオーディオプレーヤー機能、「DSiサウンド」についても、音楽を再生する基本機能の充実は当然のこととして、任天堂が作っているわけですから、「音で遊ぶ」機能が強化されています。
この中でも代表的な機能は、タッチスクリーンを使って、音の高さである「ピッチ」と再生の「スピード」を、独立に変えて楽しむことができます。