本日はお忙しい中、ニンテンドーカンファレンス2008秋にお越しいただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。
任天堂が「ゲーム人口の拡大」という基本戦略を掲げ、ニンテンドーDSを発売したのは、2004年12月2日でした。今日で、ちょうど3年と10ヶ月になります。
本日、まず最初に、 ニンテンドーDSファミリーの新たなモデルである 「ニンテンドーDSi」を紹介させていただきます。
「ニンテンドーDSi」は、ニンテンドーDSプラットフォームのさらなる普及を目指して開発した、初代のニンテンドーDS、ニンテンドーDS Liteに次ぐ、
ニンテンドーDSプラットフォームの第3のモデルです。まず、最初に、この「ニンテンドーDSi」の開発に至った背景についてお話ししたいと思います。
ゲーム人口の拡大という基本戦略の元に開発されたニンテンドーDSは、ユニークかつ多彩なソフトとの相乗効果により、これまでの国内のゲーム市場の歴史の中で最速のペースで普及しました。
ニンテンドーDSの国内累計普及台数はすでに2300万台を超えています。これは、ニンテンドーDS登場前に日本で最も普及台数の多かったゲーム機である、ソニーさんのPlayStation2の累計普及台数を上回る、日本のゲーム機市場最大の普及数になっています。
メディアクリエイトさんのデータによれば、PS2が2000万台に到達するには、発売から6年と9ヶ月を要していました。
これに対して、ニンテンドーDSは発売から3年弱で、2000万台に到達していることが、普及のペースのスピードを表していると思います。
特に、DSビジネスが加速した2006年以降、この間、私たちの供給が追いつかず、お客様にも、販売店のみなさまにも、大変ご迷惑もおかけしました。毎週、出荷した本体がほとんどその週のうちにお客様の手に渡るという異常な状況が長期にわたって続きました。しかし、このようにいささか異常とも呼べるようなペースでの販売は、いつまでも続きません。みなさまがご存じの通り、昨年夏以降、DSの販売は落ち着きを見せてきました。
従来のゲームビジネスの常識では、日本市場における2000万台は、ほぼ普及の限界台数であると言われており、すでにDS市場は飽和したと見ておられる方も少なくないようです。しかし、一時よりも普及のペースは落ちついたとはいえ、DSは今でもこれまでの主流プラットフォームの普及期に遜色ないペースで売れていることも事実ですし、幅広いお客様に支持していただけていることを活かして、携帯型ゲーム機独自の新しいライフスタイルがご提案できれば、ニンテンドーDSというプラットフォームには、まだまだ普及の余地があると考えています。
私たちの直近の調査では、日本のDSのお客様の構成は、ご覧のようなプロポーションになっています。ちなみにこのグラフは、一番左が7歳、一番右端は74歳です。
非常に幅広い年齢のお客様に、男女ともバランスよくDSを楽しんでいただいています。また、この調査では、DSを触っていただいているお客様の54%が女性のお客様でした。
お客様の層が幅広いということの特徴のほかに、DSは、各家庭でゲーム機を触ってくださる平均のお客様の数である「世帯あたりユーザー数」 、これが携帯型ゲーム機として最も多く、前回調査よりも少し下がりましたが、最新の調査でも2.8という高い数字を維持しています。ご覧いただいている、「世帯あたりユーザー数」は、一人暮しの世帯の方も含んだ平均ですから、DSやWiiの達成している数字は、家族全員がかかわっている割合が如何に高いか、ということの証明でもあります。
その一方で、携帯ゲーム機は家庭内で複数のお客様で共有されています。1世帯当たり平均2.8人のお客様がDSを触ってくださっていますが、世帯あたりのDSの台数は1.8です。
携帯型ゲーム機は、いつでも、どこでも、楽しんでいただける可能性を持ったデバイスであり、普及の究極の姿は、「一家に1台」ではなく、「一人に1台」ということになります。