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経営方針説明会・2008年3月期 中間決算説明会
質疑応答
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Q 21  先ほど、現状の好調なビジネスというのが今後続いていくかどうかある意味保証はないという趣旨の発言があったが、今後のビジネスのリスクとして、社内環境それから、外部環境それぞれ、どのようなことを意識・認識されて経営をされているかをお聞かせください。
A 21

岩田:

 一言で申しあげるのは難しいんですが、簡単に言えることをちょっと言いますと、ここしばらく任天堂は幸運にも恵まれて追い風もいっぱいいただいたと思うんです。もしこのままの流れが続いて、私たちは業績予想をちゃんと達成したいと思ってやっているわけですし、それが達成できれば、2年前のほぼ3倍規模のビジネスを1年でできるようになるということになるわけですね。そうすると、いろんな部分で感覚が麻痺してくるんです、内部の人たちの。それは世の中では慢心とか驕りって言われるものです。そういうことがいかにないようにできるか。2年前、3年前に自分たちが取り組んでいたような姿勢を少しも変わらずにやれるのか。そこを維持できるかどうかが最も大切だと思っています。もちろん外部要因というのは山ほどあるわけですが、私たちは状況の変化、まあ、風の流れとか、潮の変化という言葉になるかもしれませんが、そういうものをいかに早くつかんでその状況に機敏に対応できるかが重要です。どんな環境でも通用する万能の成功法則などありえないわけで、昨日まで「これでうまくいきました」っていっていた方法が明日にはだめになっちゃうかもしれないわけです。それは、おそらく他の産業よりもドラスティックに起こりえる仕事である、という自覚をしっかりすることが一番大切かな、と思っています。また、それを会社の中で徹底するのが、私の一番の役割と思っています。

Q 22  アメリカでのマーケティングの今後の方向性についてですが、全般的にすばらしい業績なので相対的に見てアメリカがやや、特にDSで若干出遅れているようなイメージがあるんですけれども、体制の強化、拠点を一部変えられたり、あるいは新しくマーケティング担当の役員さんを迎え入れられたり、いろんな手を打たれていますが、今後のアメリカのマーケティングに関して、どういった変化といいますか対応をされるのかをお伺いしたい。
A 22

岩田:

 Nintendo of Americaもですね、2年連続で最高の業績を上げながら、ちっともほめてもらえないという状況で、ちょっと気の毒だなと思ったりもするわけですけれども、確かに、DSのマーケットは一番変化が現れたのが遅かったわけですね。これはアメリカのマーケットがそもそも変化が遅く現れるマーケットで、DSを日本でどんどん売り込んでいった時にもまだゲームボーイアドバンスが非常によく売れていましたし、ゲームボーイアドバンスが非常によく売れれば、業績はそれなりに出ていくわけ、そのことに対して「いや、DSが売れなければ未来がないんだ」っていう部分の取り組みが、少し他地域よりも遅かったかなということは思いますけれども、そのことが出遅れというようなご批判をいただくような結果になった面があります。一方で、Wiiを一番早く立ち上げているのはアメリカなわけで、そのアメリカのマーケティングの人間をただ一概に責めるのは、フェアだとは思わないです。一方で、任天堂が今までのゲームビジネスの枠を一段飛び越えていこうとしている時に、本当に営業拠点の中核は全部シアトルでよいのだろうかという議論がございまして、これは、シリコンバレーと言う一番変化の激しい場所に一つの拠点を持つことが意義があるのではないかということで、今回オフィスの移転をいたしましたし、またそちらの方で新しい幹部の採用もいたしました。これからはまず、その人たちに任天堂の文化と哲学を良く理解してもらって、これはまあ主に私の仕事なんですけど、で、それがうまくやれれば「任天堂のアメリカにおける物を売る力、さらに強まったね」と、1年後に言っていただけるようになると思うので、努力したいと思います。

Q 23  為替の前提を今年に入って2回変えているが、御社は従来、変えない方だったが、特に何か方針か考え方が変わったか。
A 23

岩田:

 そうですね。本当は、変えないで済むものなら変えたくないという気持ちがないではありません。一方で、本当に為替の動きというのは早くなってきて、その時、その時の現状、しかもその先がどっちに触れるのかを読むのはものすごく難しいです。その意味で、「現状の水準から見て予想と現状があまり大きな乖離をしてないようにする。もし業績予想の修正をするならその時にそう考える」というのが一番分かりやすいんじゃないですかね。というのは、現状と違う前提で発表しますと、業績予想を出した瞬間から、「今の為替レートだと経常利益は実はこれだけ変わるんです」という説明を一緒にしないといけなくなるわけで、これは特に、一般の投資家の方からするととても分かり難いことになってしまいうんですね。アナリストの方のお立場ではなるべく変えないでいただくと計算がしやすくてありがたいというお話もお聞きしたことがあるのですが、私たちはいろいろな投資家の方への分かり易さという点で今の方法を選んでいるとご理解ください。

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