本日は、お忙しい中、また、あいにくの天気の中、当社の経営方針説明会にご参加いただき、ありがとうございます。社長の岩田でございます。今日は、まず、昨日発表の中間期決算についてその概要をご説明し、その上で、欧米市場の現状分析や今後の展開についてお話をさせていただきます。その後で、みなさんからご質問をお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、中間決算の概要についてご説明したいと思います。
2008年3月期の中間決算における連結業績を前期比較と共にご説明いたします。中間期の売上高は6,948億円で、前期に比べ132.5%増加しました。前期にはまだWiiが発売されておりませんでしたし、海外市場でニンテンドーDS Liteを発売したのが6月であったことから前期には業績への寄与が限定的でした。これに対し、今期は、WiiとDS Liteの販売が全世界で半年間貢献し続けたたために、大幅な増加となっています。また、営業利益は1,887億円となり前期に比べ181.3%増加しました。売上高の増加に比べて営業利益の増加の割合が高いのは、売上に占める固定経費の占める割合が減少したことが主な要因です。経常利益は、2,153億円となり、前期に比べ127.5%増加しました。中間純利益は、主に経常利益が増加したことにより、前期より143.7%増加し、1,324億円となりました。
この連結業績の実績を、7月に修正した業績予想との比較に基づきご説明します。当期の売上高は、7月時点の予想6,400億円に対し、6,948億円となりました。また、営業利益は予想の1,600億円に対して1,887億円と増加しました。経常利益は、営業利益が増加したことから、予想の1,800億円に対して、2,153億円となりました。そしてこれに伴い、中間純利益も、予想の1,050億円に対し、1,324億円となりました。
これは、過去2年間の四半期の売上高の推移です。ご覧いただいていますように、ビデオゲームビジネスというのは、クリスマスのある第3四半期に売上が集中するビジネスです。前期の第4四半期は、ニンテンドーDS、Wiiともに世界中で好調が持続して売上の落ち込みが小さくなりましたが、これは歴史的にはむしろ例外的なことでした。しかし、今期の第1、第2四半期は、過去のピークシーズン並みの売上となりました。もちろんこれは、Wiiのハード・ソフトが業績に寄与したということもありますが、ゲーム人口の拡大と共に、以前は年末商戦期のプレゼント需要中心だった商品が、大人のお客様が自分のために買う商品と変わることで、需要の季節性が小さくなったことが大きな要因であると考えています。
「ゲーム人口の拡大」を目指した取り組みが実を結んだ結果だと、私達は考えています。しかしながら、その成果は、必ずしもすぐには現れませんでした。世界的に見ますと、それぞれの地域により、市場の変化の現れ方が異なっています。10月10日に開催いたしましたニンテンドーカンファレンスにて、日本国内の市場の状況については詳しくお話ししましたので、今日は、海外の市場、その中でもアメリカとヨーロッパ主要国の販売動向を中心にお話しさせていただきたいと思います。
海外市場のお話しをする前に、日本の市場について1つだけ、ご報告しておきたいことがあります。それは、日本市場におけるニンテンドーDSの出荷台数が、今週2,000万台を突破したということです。従来の日本のゲームビジネスの常識では、2,000万台は「限界普及台数」と言われてきましたが、「一家に一台」から「一人一台」への流れを推進して、更なる普及を目指したいと考えています。
さて、これは累計8,048万台これまでに出荷していますゲームボーイアドバンスが、出荷ベースでどの地域に売れているかを、過去の決算で発表してきた数字の累計で計算したものです。ご覧の通り、アメリカ市場が全体の半分以上を占め、残りを日本とヨーロッパでほぼ同じくらいに分け合う構造になっております。日本:アメリカ:ヨーロッパが1:2:1であるというのが、かつての標準的な任天堂プラットフォーム販売の市場規模の構造でした。