こちらは、据置型ハードの販売数の3年間の推移です。昨年末までに新しいハード3種類が出揃ったことで、今年は、据置型ハードの販売台数が多く伸びています。他の地域との大きく異なる点は、PS2の市場規模が維持されていること、そしてマイクロソフトさんの存在感の違いです。その中で、Wiiは最も売れているハードになっています。
こちらはヨーロッパの販売台数です。グラフの見やすさよりも、アメリカとスケールを揃えることを優先していますのでご容赦下さい。こうしてみると、アメリカの市場規模との差がまだ大きいということがよくわかります。
ヨーロッパでも、今年大きくハードの販売数が伸びています。また、ヨーロッパでもWiiが最も売れているハードという点は同じですが、販売台数はアメリカの方が大きいものの、市場における存在感という意味では、ヨーロッパはアメリカ以上であると言えます。
一方こちらは、据置型ソフトの販売本数の推移です。据置型ハードの販売台数は今年大きく伸びていますが、ソフト市場は実はまだほとんど拡大していません。これはPS2の落ち込みを新しいハード向けソフトがかろうじてカバーしているという段階で、まだ、増やすというところまで行っていないということです。
この据置型ソフトの市場がまだ拡大していないという傾向は、ヨーロッパでも同じです。また、据置型のソフトでは、ヨーロッパの市場規模はアメリカに比べて約半分となっています。携帯型ソフトの市場規模がアメリカ市場に匹敵するほどに成長している状況と好対照と言えます。
もちろん、一般的に、ハードの普及に対して、ソフト販売の伸びは遅れて現れますので、今後、据置型ソフト市場を伸ばすチャンスは大いにあると考えています。
以上をまとめますと、アメリカ、ヨーロッパとも、携帯型のハードソフトは共に伸びていて、その中でDSハードソフトの存在感がますます大きくなっていること、
そしてソフト市場の伸びは、この2年間では主に携帯型市場によって支えられてきており、据置型ソフト市場の顕著な成長は現時点では見られていないこと、
そして、ヨーロッパではソフト販売全体の中で携帯型ソフトの占める割合が非常に大きくなってきており、ご覧のように、ほとんど据置型:携帯型が1:1に近くなってきていること、がわかります。
これらの推移を見ますと、日本のゲーム人口拡大で起こったこと、すなわち、まず携帯型ゲームの市場が拡大し、かつては据置型が主流だったゲームソフト市場が、携帯型が主流になる市場に変化し、その上で、Wiiのような新しいタイプの据置型が普及していくというシナリオに近い形で、ヨーロッパ市場は推移していることがわかります。その一方で、アメリカでは、DS市場が拡大し携帯型市場が拡大しているものの、やはり据置型王国健在で、DSが市場の主役になる前に、Wiiが市場の主役になっていく、という独自のシナリオで普及が進展しているということが言えると思います。
欧米のDS市場を2005年から牽引し続けている「ニンテンドッグス」は、日本ではあまり大きな伸びは見せていませんが、海外では、今も売れ続け、累計1,577万本の販売になりました。
これは、アメリカとヨーロッパの市場におけるnintendogsソフトの販売推移を示すグラフですがヨーロッパにおける販売実績は、700万本に到達しているにも関わらず、その販売ペースの鈍化の兆しはまだ感じられておりません。