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2007年10月26日(金)経営方針説明会/中間決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文
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あるいはジャンルで番組を探す。音楽番組、すると全体の中で音楽番組に色が付くわけです。 それを全体の中から、すばやく見つけ出す。


あるいは、それぞれの家族が見る番組を登録しておく。そうするとそれごとに、違う色が付いて、「お母さんこんな番組興味あるんだ」、というようなことがお互いにこう話をするきっかけを作るというような感じですね。 こうやって、自分も見ますって言ったりできます。


あるいは、キーワードで番組を探す。ひょっとするとキーワードかもしれませんし、好きな出演者かもしれません。 こういうことが簡単にできるようになります。


任天堂は、株式会社インタラクティブ・プログラム・ガイドと提携して、Gガイドを活用した新しくユニークなテレビ番組表サービスの提供をWiiチャンネルを用いて実現する予定にしております。株式会社インタラクティブ・プログラム・ガイドさんは、アメリカのジェムスター社、電通さん、東京ニュース通信社さん、この3社のジョイントベンチャーで、「Gガイド」というブランドで電子番組表サービスを提供している会社です。
どちらかといいますと、ビデオゲームとテレビ放送はお客さんの時間を奪い合うライバルであると見られがちですが、Wiiはリビングルームに置いていただいて「テレビの友」として、何か面白いTV番組を探すなら、とりあえずWiiの電源を入れて探してみよう、と思ってもらえるようにしたいと考えています。もちろん、それを実現するためには、どんなデジタル家電商品にも負けない軽快な動作と、Wiiでしか実現できないようなユニークな仕掛けが必要になると考えています。「任天堂が作ったらこうなるのか」と感じていただけるようにしたいと思っています。TV番組表チャンネルは2008年春、3月までには配信する予定です。


以前にもお話ししたことがありますが、私達は、DSを、もはや単なるゲーム機ではなく、「所有者の生活を豊かにするマシン」としての提案を展開していく段階に入ったと考えていますが、DSを日常的に継続して触っていただけるような提案が次々と展開することができるかどうか、そして、「DSを常に持って歩く」ことに如何に意義を感じていただけるようにするのか、ということが鍵になると考えています。
これが実現すれば、「一家に一台」から「一人一台」への流れを作ることができる可能性が開けることとなりますし、過去のゲームビジネスで限界普及台数と言われてきた台数の壁、例えば日本市場であれば2,000万台程度で普及が飽和するのではないのか、というような限界を打ち破るチャンスが出てくるのではないかと考えています。


現在、全国1,000カ所の小売店さんの店頭に置いたDSステーションにおける、お試し版の配信サービスや、無線接続サービスは、まもなく設置から丸2年が経過しようとしています。もともとこんな仕組みは世の中にはなかったわけですが、この上半期で週平均、369,000回の試遊、82,000回のダウンロード、95,000回のWi-Fiコネクション接続利用があるなど、今では、非常に多くのお客様に日常的にご利用いただけるようになりました。


DSはどこにでも手軽に持ち運べて、物理的なメディアを使わなくても小規模なプログラムを無線配信ができて、Wi-Fiのアクセスポイントさえあればインターネットに接続することができ、そして年齢・性別・技術的知識の有無を問わず説明書を読まなくても誰もが簡単に使えるとう特徴を持った史上最も普及したプラットフォームであると考えています。携帯電話の普及台数はDSの普及台数よりはるかに多いですが、多くの機種があるために、事実上1つのプラットフォームとは言えない状況になっています。ゲーム機であるDSは、1つのプラットフォームとして共通のプログラムが普及台数全てで使えることになるところに大きな特徴があります。
今後は、このDSのプラットフォームとしての新たな可能性に着目し、無線配信拠点を増やすことで、DSを持って歩いていただくことの意義をより広めていきたいと考えています。DSステーションは、コストや場所の制約上そんなに増やせませんし、また小売店さんの店頭以外にも、人々が集まるいろいろな場所に設置を拡げた方がいろいろな可能性が開けると考えていますので、新たなアプローチで、無線配信拠点を増やすことを考えています。


ゲーム人口拡大を進めてきた過程では、多くの方々から、いろいろなご指摘をいただきました。
「ゲーム人口拡大の意義はわかるが、本当にそんなことはできるのか?」「本当に大人の女性やシニア層のお客様に、ゲームに興味を持っていただくことなんてできるんですか?」「携帯型のDSでは通用したが、据置型のWiiでは同じ手は通用しないのではないですか?」「日本ではうまくいっているけれども、海外では通用しないのではないですか?」「DSやWiiは確かに目新しかったけれども、それは一過性のブームですぐ飽きられるのではないですか?」
このようなご指摘全てが、正に、ビデオゲーム業界の常識との戦いでした。しかし、パラダイムシフトとも呼べる市場の大きな変化が起こったことは、みなさまもご存じの通りです。ビデオゲーム業界の常識とされてきた多くのことは、実は過去の環境・過去の前提条件の上でのみ成り立つことだったわけで、絶対的な真理ではなかったわけです。そして、今、「DSは限界普及台数に到達したんじゃないですか?」「ゲーム人口拡大は一時的な現象で終わってしまいませんか?」そういう課題に任天堂は直面しているわけです。
任天堂は、過去の常識に縛られるのではなく、独創的なアイディアで未来を切りひらいていきたいと考えています。


ご清聴、ありがとうございました。


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