株主・投資家向け情報

2007年10月26日(金)経営方針説明会/中間決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

これは、今年9月末時点でのDSの地域別販売比率です。ご覧のように、全く異なる販売比率となっています。3地域の中で最も人口の少ない日本の市場が最大の市場となっており、アメリカ市場の存在感が世界で最も小さいという、これまでの当社の歴史になかった販売比率になっています。これは、ご存じの通り、日本で最も早くDSによるゲーム人口拡大の手応えが得られ、 DSの普及が最も早く進んだことによるものです。


しかし、これを今年度の上半期のみに絞り込んでみますと、先行して普及が進んだDSの日本の販売ペースが少し下がってきて、そしてヨーロッパの販売が本格化して、ヨーロッパが最大市場となっていることがわかります。これは、ゲーム人口拡大の取り組みへの成果がまず日本で上がり、次にヨーロッパで成果が上がり、アメリカ市場がそれを追いかけているという状況によるものです。今年の上半期には、アメリカ市場は日本市場の市場規模を上回るなど、徐々に状況も変わりつつありますが、人口の比率や本来の市場ポテンシャルを考えれば、これから、更に伸びの余地があるのではないかと考えています。


これに対して、据置型のWiiでは、ご覧のようにアメリカ市場は従来通りの存在感を示しています。


今上半期のみの出荷数を見ると、アメリカはもちろんですが、ヨーロッパの存在感が大きくなっています。これは、特に、今年の春以降、ヨーロッパ最大の市場であるイギリスにてWiiの販売が大きく伸びていることが影響しています。日本では、Wiiは毎週のように品切れになってしまうという状況から、この夏以降店頭でお買い求めいただきやすい状況になってきましたが、アメリカやイギリスでは、未だに毎週入荷した商品が、すぐに売り切れになってしまう状況が続いていると現地の関係者から報告を受けています。


これは、アメリカ市場における2005年から2007年までの1〜9月の携帯型ハードの販売数をNPDのデータを用いて比較したものです。携帯型ハードは全体として大きな伸びを見せており、特にDSの伸びは、66%とその中でも特に大きいことがおわかりいただけると思います。


これは、2005年から2007年までの1〜9月の携帯型ハードのヨーロッパにおける販売台数を、イギリス、ドイツ、フランス、スペインの4ヶ国の各国の調査会社が発行しているデータを任天堂で集計して比較したものです。ヨーロッパ全体の市場の中で、この4ヶ国の市場規模は、75%から80%であると言われておりますので、本日は、これら4ヶ国の集計結果でヨーロッパ市場の傾向をお話ししてまいります。ヨーロッパでは、この2年で携帯型ゲームハードの販売数はほぼ2倍に伸びました。その中でDSの占める割合は特に大きくなっています。2005年の時点では、ヨーロッパではアメリカの半分以下の販売台数でしたが、その販売比率は大きく変化しつつあり、この4ヶ国のグラフがヨーロッパ市場全体の8割弱であることを考えますと、アメリカ:ヨーロッパの販売比率が1:1に近づきつつあることがわかります。


これは、同じくNPDのデータを使ってソフトの販売本数の推移を比較したものです。携帯型の分野では、ハード以上にソフトの伸びが顕著であること、そして、その中でDSソフトの存在感が年々増していることがおわかりいただけると思います。


これは、全体の比率で見ると、ご覧のように、よりおわかりいただけるのではないかと思います。


ヨーロッパにおける携帯型ソフト市場の伸びは、正に爆発的と言えます。ソフト市場全体の規模は2年で3倍以上になり、特にDSソフトに至っては、10倍以上の規模に成長いたしました。



このページの一番上へ