こちらは、日本のソフト市場の年間販売数の推移です。
2009年前半のヒットソフトの不在が響き、年の後半にはいくらか挽回したのですが、最終的に、Wii・DSとも、年間の販売本数は、前年に対して微減となりました。
先ほどまで、販売数でお話ししましたが、これは、メディアクリエイトさんのデータを元に計算した、この3年間のハード・ソフトを併せたゲーム市場全体の販売金額の推移です。
残念ながら、ハードの販売数の減少や、2009年秋以降のハードの値下げなどの影響で、日本の市場規模は2007年をピークとして2年連続で落ち込んでしまいました。
この中から、任天堂プラットフォームを色分けしたのが、このグラフです。12月の勢いはあったものの、年の前半の不調をカバーすることはできず、任天堂プラットフォームの販売金額比率も、僅かですが、前年より落ち込んでしまいました。
その一方で、年末にWiiの勢いが戻り、多くの方にゲームを触っていただけたことで、明るい変化がありました。
任天堂は、一般生活者の方々を対象として、東京・大阪で合計3,000名規模のゲーム人口調査を定期的に行ってきましたが、つい最近出たばかりの最新の結果を含めた、日本のゲーム人口の推移をまとめてきましたので、ご覧下さい。
このグラフにおいて、青でお示ししているのは、過去1年以内に家庭用ゲーム機、これは、任天堂のゲーム機だけでなく、他社さんのゲーム機も含みますが、何かでプレイした経験のある人で、私たちは、アクティブユーザーと定義しています。黄色で示されているのは、かつて家庭用ゲーム機で遊んだ経験をお持ちでも、過去1年間は遊んでおられないお客様で、スリープユーザーと定義しています。ピンク色は、これまで家庭用ゲーム機で遊んだ経験を全くお持ちでないお客様で、ノンユーザーと定義しています。
私たちはこのような調査を2005年から行っています。今は、7歳から74歳までの方に調査にご協力いただいているんですが、最初の2回は64歳までの方を対象とした調査でしたから、流れを見やすくするため、このグラフは7歳から64歳までの方を対象としてまとめたものです。
ご覧いただくと、2009年前半のヒットソフト不足で、2009年7月時点の調査でいったん減少していた日本のゲーム人口が、年末商戦を経て再び増加に転じ、アクティブユーザーは、過去最高水準にまで回復していることがわかります。
ヒットソフトが市場を活性化し、流れを変える力がある、というのがゲームビジネスの大きな特徴ですが、今回の出来事は、そのひとつの例だと言えるのではないかと感じています。
次に、アメリカの市場についてです。
これは、2008年、2009年それぞれの月にアメリカ市場で1週間あたり、Wii、PS3、Xbox360がそれぞれ何台売れているかを示すグラフです。以前にもご説明しましたが、アメリカ市場の第三者集計機関であるNPDのデータは、毎月1度しか出ないことと、月によって4週間の集計と5週間の集計が混在するため、1週間あたりの販売数にしてお見せしています。
アメリカは、伝統的に据置型主導の市場なのですが、2009年は、据置型の調子はあまり良くありませんでした。Wiiも3月以降勢いを失い、前年と比較すると、ご覧のように、3月以降、ずっと前年実績を下回っていましたので、先行きが懸念されていたと思います。結果的にWiiは、12月には大きく販売を伸ばし、月間販売数381万台は、過去全てのゲーム機における月間の最高販売記録となり、勢いを取り戻すことができました。
これは、2008年と2009年、それぞれの月にアメリカ市場で1週間あたり、DSとPSPがそれぞれ何台売れているかを示すグラフです。
2009年4月のDSのピークは、ニンテンドーDSiの新発売によるものです。前年に比べても、DSは好調だった前年をさらに上回る推移で、12月には月間販売数の新記録331万台となりました。
また、DSは、年間の販売数が1,122万台となり、2004年のDS発売以来、年間最大販売数になりました。これは、これまでのハードの年間販売数の記録であった2008年のWiiの1,023万台を超える、アメリカのゲーム市場における年間販売の最高記録となりました。