同じく昨年のE3で発表した、『METROID Other M』を2010年夏に発売します。
メトロイドの生みの親、任天堂の坂本賀勇と、テクモ株式会社さんのチームニンジャと映像制作チームのみなさんが三位一体となって開発するシリーズ最新作です。
さて、最後に、ゲーム人口拡大の中期目標についてお話ししたいと思います。
ゲーム人口拡大の過程において、私たちが、「世帯あたりユーザー数」に注目していること、それがなぜ重要なのかということについては、これまでもお話ししてきました。
これは、その最新のデータですが、DSやWiiは、世帯あたりユーザー数が明らかに他のプラットフォームより多い、すなわち、家庭の中でより多くの方に触っていただけているゲーム機であることはデータでも示されています。
一方で、私たちが調査を進める中で、さらなるゲーム人口拡大のために、中期的に変えていかなければならない課題もはっきりとしてきました。それは、ビデオゲームの社会での受け止められ方をいかに良い方向に変えていくか、ということです。
これは、日本のゲーム人口調査の際に、いろいろな娯楽が、日本の社会において、どのように受け入れられているかを調べたものです。テレビ・映画・音楽・スポーツと、「とても好き」「まあまあ好き」と考えておられる方が圧倒的多数を占めていることがわかります。「全く好きでない」と答える方の割合は非常に少ないです。
ゲーム人口拡大の取り組みによって、以前よりもビデオゲームに対する社会のイメージが改善された手応えを感じてはいますが、ビデオゲームは、まだまだ他の娯楽に比べて、好きと答えていただける方の少ない、そして「全く好きではない」とか「わからない」と答えられる方が多い娯楽であるという事実があります。私たちのゲーム人口拡大の中期目標は、ビデオゲームの社会受容性を、他の娯楽並みに改善していくことにあります。
アメリカでも全く同じことを調べているのですが、日本と傾向は大きく変わりません。アメリカは、日本以上にゲーム人口比率が高く、ビデオゲームにとってもっとも恵まれた世界最大の市場ですが、それでも、ビデオゲームの社会受容性は、日本と同じく、他の主要な娯楽に遠く及んでいないのです。
こういう調査結果を見ていると、私たちには、まだまだやらなければならないことがあると、痛感します。ゲーム人口拡大という目標は、まだまだ先が長く取り組んでいくべき目標だと考えています。一方で、これは、見方を変えれば、我々のビジネスは、先進主要国にあってさえ、まだまだ成長の余地があるということでもあります。これらのオレンジや赤の人をせめて黄色く変え、黄色い方を水色に変えていくことができれば、ビデオゲームの市場は、もっともっと活性化できると、私たちは信じております。今日の私からのお話は以上です。
ご清聴、ありがとうございました。