市場全体の据置型ソフト総本数が伸びていないため、Wiiのシェアは、2年前と同じ34%を維持しているのですが、今年はヒット作がコンスタントに出ているXbox360が市場シェアで同じく34%になっており、数量では若干Wiiを上回っています。
Wiiの「勢い」を判断する別の視点として、これまでアメリカで最も売れた据置型ゲーム機であるソニーさんのPS2の販売推移とWiiの販売推移を比較してみました。それぞれのハードが発売されてから年末商戦が4回終わった時点での累計販売台数を左上のグラフのように比較しても、その右のグラフのようにWiiの今年の1〜9月の販売数とPS2の発売後5年目の1〜9月の販売数を比較しても、そして発売後累計販売台数の推移を下のグラフで比較しても、Wiiが5回目の年末商戦を迎えるゲーム機として、決して勢いがないわけではないということはおわかりいただけると思います。
ちなみに、PS2の5年目の実績を、4年目と同じく23%上回るのに必要なのは、Wiiを年間に570万台売ることなのですが、これは余裕を持って上回ることができるのではないかと思っています。
次に、これは、昨年と今年のアメリカ市場における、毎月1週間あたり、DSとPSPが何台販売されているかを比較したものです。
DSは2月、3月こそ昨年対比でプラスでしたが、4月以降は昨年に対して大きなマイナスになっています。この数字は、商戦期以外の季節に売れるゲーム機の販売推移としては決して低い水準ではありませんが、ここ数年、規模を拡大させていたDSハードの市場規模が縮小に転じているということは事実です。
これは、2008年から2010年にかけての、アメリカ市場における携帯型ハードの販売台数の推移です。
1〜9月のDSの販売ペースは昨年対比でマイナスになっていますが、その一方で、DSハードの市場シェアは、昨年の81%から、今年は83%に増加しております。
全体の比率で見ますと、DSのソフトシェアはより高まっていることも事実です。
もちろん、数量が減少している中、シェアが高まったことに満足している場合ではなく、また、ハード普及がこのような段階に達すると、年末の需要期に、いかに残された潜在需要を実際の販売につなげるかということが重要になってまいります。
ソフト全体を3社のハードメーカー別のシェア推移で見ますと、任天堂は昨年よりわずかに市場シェアが低下しましたが、
DS・Wiiのソフト販売数が減少しているにも関わらず、当時、市場全体が健全に推移していた2008年時点でのシェアと比べても、任天堂プラットフォームのシェアが若干高まっているというのは、実は意外に思えるのではないでしょうか?
さて、次に、ヨーロッパの市場についてお話しします。
これはヨーロッパの据置型ハードの販売状況です。 これは、任天堂が、各国の調査会社さんのデータを元に推定しているものです。
Wiiは、夏までは昨年と同程度の水準で推移しましたが、直近はあまり良い状態ではありません。Xbox360はモデルチェンジしてから、特にUK市場を中心に昨年よりよく売れています。PS3は、前年対比で良い状況が続いていて、直近では市場をリードしている状況です。