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2010年10月29日(金)経営方針説明会 / 第2四半期(中間)決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

ここで、任天堂プラットフォームのミリオンセラータイトルはどうなったかもご報告しておきたいと思います。


まずは、ニンテンドーDSです。
全世界の出荷ベースで100万本を超えたDSタイトルは、今年9月までの累計で、任天堂・ポケモンのタイトルが1タイトル増えて46タイトル、ソフトメーカーさんのタイトルが10タイトル増えて79タイトルとなりました。
ここでのミリオンタイトルのカウントでは、同時発売された『ポケットモンスター』の色違いバージョンは1タイトルとして数えていますのでご注意ください。


Wiiについても、全世界の出荷ベースで100万本を超えたタイトルは、9月末までの累計では、任天堂・ポケモンのタイトルが2タイトル増えて24タイトル、ソフトメーカーさんのタイトルが3タイトル増えて60タイトルとなりました。
ちょうど1年前の2009年9月末に、DS向けのソフトメーカーさんのミリオンタイトル数が60タイトルでしたから、2年遅れて発売されたWiiは、期間的には1年短い期間で、ソフトメーカーさんのミリオンタイトル数が同じ60タイトルに到達したことになるわけです。
日本の市場だけを見ておられる方には、「DSはともかく、Wiiで売れているのは任天堂のタイトルばかり」という印象をお持ちの方も多いのですが、世界全体で見ると、「DSよりむしろWiiの方がサードパーティのソフトメーカーさんのミリオンタイトルの登場ペースが早い」というのが事実です。ただし、ソフトメーカーさんのミリオンタイトルは60タイトルあるといっても、そのひとつひとつはヒットチャートの上位に見えてくることがまれで、代表的なソフトが次々とヒットチャートに登場するという流れにはなっていないために、なかなか印象が変わらないということがあるかもしれません。この点では、私たちにも今一層の努力が必要ですし、ニンテンドー3DSでは、早期にこの壁を乗り越えたいという決意は、先日のカンファレンスでも申し上げたとおりです。
さて、ここで、各地域の今年のヒットチャートをご覧いただこうと思います。


これは、アメリカの今年の9月までのソフト販売上位の20位までのヒットチャートです。
任天堂プラットフォームのタイトルが9タイトル含まれていますが、『ポケモン ハートゴールド・ソウルシルバー』と『スーパーマリオギャラクシー 2』以外は、昨年以前に発売されたタイトルです。特に、DSの『New スーパーマリオブラザーズ』は、2006年に発売されたタイトルです。一方で、他社のプラットフォームでは、『CALL OF DUTY: MODERN WARFARE 2』以外は、今年発売されたタイトルです。初動中心のタイトルが多い任天堂以外のプラットフォームと、定番のロングセラー型のタイトルが多い任天堂は対照的であると言えます。また、アメリカでは、Xbox360のタイトルの存在感が大きいことも特徴で、マルチプラットフォーム展開されているソフトでは、PS3バージョンよりも上位になることが多いことも特徴になっています。
また、今年5月の決算説明会でご紹介したUbisoftさんの『JUST DANCE』が9位にランクインしています。このソフトは、昨年年末に発売された時は小さな初動でしたが、その後、このようなロングセラーになっています。任天堂プラットフォームで数を伸ばすタイトルは、このような動きをするものが多いようです。


少し細かくなりますが、ヨーロッパの市場を国別にご紹介します。これは、ドイツの今年9月までのソフト販売上位20位までのヒットチャートです。
ご覧のように、任天堂プラットフォームのタイトルが11タイトルあり、アメリカ以上にトップ20にDSタイトルが多いのが特徴です。その一方で、アメリカと大きく異なり、20位までにXbox360タイトルはありません。


これは、フランスの今年の9月までのソフト販売上位20位までのヒットチャートです。
フランスは、任天堂プラットフォームのタイトルがトップ20に多く含まれていて13タイトルあります。ここでも、Ubisoftさんの『JUST DANCE』が6位にランクインしています。フランスもXbox360のタイトルが少なく、アメリカと異なり、マルチプラットフォーム展開のソフトでも、PS3バージョンがリードしているようです。


これは、スペインの今年9月までのソフト販売上位20位までのヒットチャートで、任天堂プラットフォームのタイトルは9タイトルあります。スペインは、伝統的にソニーさんが強いマーケットで、Xbox360タイトルがチャートには含まれていません。


これは、イギリスの今年9月までのソフト販売上位20位までのヒットチャートです。任天堂プラットフォームのタイトルが6タイトルと、今回紹介する市場の中で、もっとも少なくなっています。
先ほどから話題にしておりますが、『JUST DANCE』は、今年に入ってからの全プラットフォームで首位になっています。その一方で、DSが20位までには存在しません。今、イギリスの市場は、お客様の関心が据置型中心になっているように思えます。
ちなみに、イギリスの特徴は、Xbox360の存在感がアメリカ並みに大きな市場であって、マルチプラットフォームタイトルがXbox360優位になっているという点です。この点では、ドイツ、フランス、スペインと大きく異なることが特徴になります。


これが、日本の先週までのソフト販売上位20位までのヒットチャートです。
13タイトルが任天堂のプラットフォームですが、Wiiは任天堂タイトルしかチャートに入っていませんが、DSにおいては、任天堂やポケモンだけではなく、ソフトメーカーさんのタイトルも多く含まれていることがわかります。また、日本においても、任天堂プラットフォームでは、長期にわたって売れ続けるソフトが多いことが特徴になっています。PSPのタイトルがチャートの上位に多く含まれているのは海外市場には見られない特徴で、日本市場が独自の状況になっているということがおわかりいただけると思います。


さて、既に先月の時点で、中間決算の見通しをお伝えしていましたし、今日もお伝えしたように、足下の状況が、DS、Wiiとも、昨年に比べて必ずしも良い状況ではありませんので、この年末商戦の見通しについて、懸念をお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。
具体的には、



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