先ほどのアメリカの『JUST DANCE』の販売推移に、この2つのタイトルを重ねてみると、このようになります。
特徴は、年明けからも、販売の勢いが鈍っていないことで、初代の『JUST DANCE』と同じような推移になっています。ヨーロッパでも同じような傾向が出ていますが、『ZUMBA FITNESS』については、他機種版が、昨年末に発売されており、Wii版は最近発売されたばかりであるのに、Wii版の発売2週で、他機種版の累計販売数を上回ったと聞いていますので、ダンス系ゲームとWiiの相性は良いのだと思います。
年が明けてから、緑色のヨーロッパの販売が順調に伸びています。これまでWiiの軸となった『Wii Fit』や『Wii Sports Resort』のように、売れ続ける定番ソフトとしての地位を確立できましたので、これからも、長期的に販売を伸ばしていける可能性が高くなったと思います。
本来、このソフトはアメリカでもっと売れるポテンシャルがあると考えていますので、アメリカでは、今週から、再度拡販にチャレンジすることにしました。将来、良い結果をご報告できるように努力したいと思います。
さて、過去にもお話ししてきましたように、任天堂では、定期的にゲーム人口の推移を調べています。
ハードやソフトがどれだけ売れているのか、ということとはまた異なる角度からの見方ができますので、この機会に、新しいデータをご紹介しておきたいと思います。
まずこれが日本のゲーム人口の推移です。
このグラフにおいて、青でお示ししているのは、過去1年以内に家庭用ゲーム機、これは、任天堂のゲーム機だけではなくて、他社さんのゲーム機も含みますが、何かでプレイした経験のある人で、私たちは、アクティブユーザーと定義しています。黄色で示されているのは、かつて家庭用ゲーム機で遊んだ経験をお持ちでも、過去1年間は遊んでおられないお客様で、スリープユーザーと定義しています。ピンク色は、これまで家庭用ゲーム機で遊んだ経験を全くお持ちでないお客様で、ノンユーザーと定義しています。
今年1月の調査では、年末商戦直後であるにも関わらず、このグラフの青色で示される、日本のアクティブユーザー、すなわち「ゲーム人口」は減少し、その分黄色のスリープユーザーが増えてしまいました。 この中で、DSやWiiを楽しまれている方々を色分けしますと、
ご覧のようになります。
実際に、DSとWiiで遊んでおられるお客様の数を確認しますと、DSで遊んでおられるお客様の数に大きな変化はありませんでした。しかし、Wiiで遊んでおられるお客様は、半年前の調査と比べて200万人ほど減少していました。そして、みなさんが想像されるとおり、『モンスターハンター』による盛り上がりでPSPを遊んでおられるお客様は増えていましたが、逆にPS2で遊ばれているお客様の数は減少していて、これも、スリープユーザーの増加のひとつの要因になっています。
もともと、日本はスリープユーザーの比率が高く、ゲームで遊ぶことをやめてしまうお客様が、海外に比べると多くいらっしゃるのが特徴でもあります。一方でこれは、私たちが、「次に遊ぶべきソフトは何なのか」ということを、うまくコミュニケーションできていない結果であると受け止めていますので、次の1本をいかに選びやすくお伝えして、遊んでいただくきっかけをいかにつくるかということを考えていかねばならないと思っています。
ちなみに、2009年の夏には、任天堂プラットフォームだけを見ると、状況は今以上にもっと悪かったということもおわかりいただけると思います。このあと、夏に『ドラゴンクエスト』が出て、そしてその年の年末に『New スーパーマリオ Wii』というソフトが登場したことで、劇的に流れがまた変わりました。ソフト1本2本で、局面が大きく変化するチャンスが常にある、というのが、ビデオゲームという商品のユニークな特徴ではないかと思います。
こちらは、アメリカの結果です。日本とは対照的な結果になっています。
日本に住んでいらっしゃるみなさんの感覚からすると、WiiやDSのハードの売れ行きに勢いがないというデータをご覧になると、日本と同じようなことが起こっていてもおかしくない、と感じられると思いますが、アメリカは状況が異なるようです。
確かに、このところはピンクのノンユーザーの人口はほとんど変わっていませんが、黄色のスリープユーザーは、少しずつ減っており、今回もさらに減少しました。
この中で、DSやWiiを楽しまれている方々を色分けしますと、
これは、このゲーム人口調査で継続的に調べているWiiとDSを遊んでおられるお客様の数の推移です。
アメリカでは、特にWiiを遊んでおられるお客様の数が順調に増えていることがおわかりいただけるかと思います。これは、日本では大きな流れになっていない、ダンス系ゲームの大きな流行も影響していると思われますし、また、アメリカのお客様はゲームを簡単にやめることなく、次の1本を探してくださっている結果だと思います。国内ではWiiのタイトルは昨年度56タイトルが発売されましたが、アメリカでは245タイトルと、大きく状況が異なっています。タイトル数だけで比較はできませんが、Wiiのお客様の多彩な志向にお応えできるかどうかという点で、ここには一定の因果があるのかもしれません。
さて、ここからは今後の展開についてお話ししたいと思います。
まず、昨日発表しましたWiiの後継機についてです。