株主・投資家向け情報

2011年4月26日(火)第71期 決算説明会
任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

Wiiの後継機を、2012年に発売することにいたしました。
今年6月7日よりロサンゼルスで開催されるビデオゲーム展示会E3ショウにおいて、体験いただける状態で出展する予定をしております。具体的な仕様については、E3の場で公表いたします。
具体的な内容はE3までお話はできませんけれども、E3では任天堂の考える家庭内で遊ぶゲーム機の新たな構造を提案したいと思っています。

 


さて、年が明けてからは、当社がニンテンドー3DSの発売に向けて集中してきたこともあり、国内では1月に『ラストストーリー』を発売して以降、任天堂からWiiの新作ソフトを全く出していない状況となっており、国内では「任天堂はもうWiiを諦めたんじゃないのか?」というような誤解も受けているようです。
今年は、5月以降、今年年末にかけて、毎月新作のWiiソフトをリリースできるような準備をしていますので、今日は、夏に向けての具体的な計画についてお話ししておきたいと思います。

 


具体的には、『パンドラの塔』という新作ソフトを5月26日に発売することを皮切りにしまして、


NINTENDO64時代に多くのファンを魅了し、昨年Activisionさんが海外で発売した『007 ゴールデンアイ』を日本では任天堂が6月に発売することになりました。

 


『Wiiリモコンプラス・バラエティ』は、海外では、『Wii Play: Motion』という名称で既に発表されているタイトルです。
『はじめてのWii』と同じように、本作には、Wiiリモコンプラスが同梱されて、価格的にもお得な設定となる予定です。
Wiiリモコンプラスだからこそ可能になる、バラエティあふれる12種類のゲームが楽しめるソフトです。
このソフトは、任天堂のお付き合いしている複数の開発会社さんが競い合う「競作」という形で制作したタイトルで、Wiiリモコンプラスの活用アイデアを開発会社さんから募ったり、社内で実験していた手応えの良い試作品をお題としてお願いしたり、社内の内作チームも部分的に参加したりと、大変ユニークな成り立ちで生まれました。いろいろ個性的なゲームができあがりましたので、その制作過程については、あらためて公開していく予定です。
このタイトルは、7月に発売予定です。幅広い人に直感的にお楽しみいただけますので、みなさんが集まる時には、盛り上がっていただけるのではないかと思います。

 


また、1月の決算説明会の場でお話しした、『リズム天国』の新作ソフトも、今年の夏の発売を予定しています。
開発の大詰めのバージョンを先週、私自身も触ったんですけれども、テレビで遊ぶこの『リズム天国』も、とても『リズム天国』らしく仕上がっていました。また、このゲームは、先ほどの『Wiiリモコンプラス・バラエティ』とは対照的に、敢えて、ボタン操作専用でつくられています。それぞれ異なる方向性で研ぎすまされたソフトですので、面白さが被ることなくお楽しみいただけると思います。
また、これ以外にも、この夏には、レベルファイブさんの『イナズマイレブン ストライカーズ』も発売されますし、年内に、既に発表している『星のカービィ』の新作、『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』、そして、日本向けに任天堂がローカライズする『JUST DANCE 2』などのほか、現時点では未発表の複数の新たなタイトルの発売も予定しております。
多くの台数が普及したWiiで、Wii後継機の発売前に、日本市場でも、再度大きな盛り上がりを生み出すことを目指してまいります。

 


また、先週セガさんと共同発表したばかりですが、マリオとソニックが活躍するオリンピックゲームの3作目である『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック™(仮称)』の発売も決定いたしました。
このソフトは、Wiiだけでなく、ニンテンドー3DSでも発売予定ですが、WiiとニンテンドーDSで発売された前2作は、全世界でシリーズ合計1,900万本を超える販売となっており、今作も世界的に大きな販売が期待できると考えています。

 


さて、最後にニンテンドー3DSの普及に向けて、今後どのような展開を図っていくのか、という話をさせていただきます。
ニンテンドー3DSの発売前から、

 


「裸眼立体視は体験しなければその価値が実感できない」ということについては、繰り返し申しあげてまいりました。
当初私たちは、発売後に多くの本体がお客様の手に渡ることで、その後は、『ニンテンドー3DSカメラ』や『ARゲームズ』、『顔シューティング』などの内蔵ソフト等を通じて、裸眼立体視の価値を周囲の方々と体験していただき、裸眼立体視の価値はある程度自然に伝わっていくということを期待しておりましたが、実際に発売後の状況を分析した結果、裸眼立体視機能の価値をお伝えするには、それだけでは決して十分ではないということがはっきりしてまいりました。

 


従来のメディアでは価値を伝えるのが難しい「裸眼立体視」は、体験しさえすれば理解いただけるというわけではなくて、その体験が不適切な状態であれば、価値を誤解される方も少なからず出てしまうということがわかりましたので、いかに適切な体験ができる機会を充実させるか、ということが非常に重要になってまいります。特に、立体視に関しては、その左右の目の視差、すなわち左目と右目にどれだけ違う絵を見ていただくか、それが適切か、ということに関しては個人差がかなり大きいために、3Dボリュームをいかに適切な位置に調整いただくか、ということが大変重要になってまいります。そのため、この啓蒙を徹底してまいりたいと思います。また、裸眼立体視を体験しやすいコンテンツの整備も非常に重要だと考えています。特に、最初から能動的にゲーム機と関わらない方々のために、3D映像の配信サービスのような、受け身でも関われる体験コンテンツを充実させていく必要があると考えており、今予定している本体機能の更新に続いて、速やかに展開していく予定です。
裸眼立体視の魅力を正しく理解いただき、ニンテンドー3DSを広く普及させるためには、近道はありませんので、この地道な取り組みを徹底していきたいと考えています。
また、同時に、

 



このページの一番上へ