7 | 携帯機の多様化についてお伺いしたい。3DSは御社が全力を注いで作ったハードだと思うが、もしかしたらDSよりも間口が広くないかもしれないし、4、5年前みんながDSを買った時とは少し環境が変わっているかもしれない。1人1台を目標にするなら、それに合わせて携帯機も多様化すべきように思うがどうか。 |
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7 | 岩田: 今、「ニンテンドー3DSは間口が広くない」というご指摘をいただいたのですが、私としては3DSに期待をしていただかなければならないので、そういう声をお聞きしてしまう時点で、「今3DSには一つの課題があるんだな」と感じます。 |
8 | 3DSとWiiのタイトルの考え方について確認させてほしい。既に発売日が決まっているタイトルがいくつか紹介されたが、未定になっている『どうぶつの森』、『マリオカート』、『スーパーマリオ』などが出てくると、まさに販売モメンタム(販売の勢い)がつきそうだが、これらのタイトルに関しては今期というよりは来期以降というふうに考えた方がいいのか。あるいは下期にかなりドライブがかかるような予算になっているので、下期に出てくるとみていいのか。 |
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8 | 岩田: まず、ニンテンドー3DSのタイトルですね。今名前の挙がったタイトルが一本も今期中に出ないようでは、ニンテンドー3DSは年間1600万台売れないと思っていますので、全部かどうかは分かりませんが、必ずそういった多くの方が期待いただけるタイトルは今期投入することになると思います。一方で、発売日をまだ決めていない事情は、私どもの開発状況という問題だけではなくて、3DS発表の時に私どもが掲げた目標である、ソフトメーカーさんのタイトルも売れる状況を作りたいと。それができなければ、持続的に安定したプラットフォームの活性というのは維持できないわけです。任天堂一社ですべてを支えられるというような考えを私たちは持っていません。もちろん、「任天堂のタイトルがハードを売る責任を持つ」ということに関しては強く意識しているのですが、任天堂一社で市場が維持できるなどとごう慢なことは考えておりません。他社さんにも成功していただきたいわけです。そして、他社さんの予定がもう少しクリアになってきた時に、私たちのタイトルはどうすれば一番販売を最大化でき、かつ短期的な食い合いをしないで済むのかということを意識して決めたいということもございますので、そのようなこともあって時期の明言はもう少し先にさせてもらおうということです。ただ、今日ご紹介した『マリオカート』や『スーパーマリオ』の新作は、来期以降をイメージしてお話ししたわけではありませんので、そういうふうにご理解いただいてよいのではないかと思います。 |
9 | アメリカのマーケットについて。アメリカでXbox360が結構売れているという中で、Kinectが貢献している可能性があると思うが、この辺りでWiiへの影響があるかどうかを教えてほしい。 |
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9 | 岩田: 日本にお住まいの方がお持ちのマイクロソフトさんのXbox360に対するイメージと、アメリカにお住まいの方のイメージとが、非常に大きく異なる状況にあると思います。昨年の夏以降、Xbox360のビジネスは好調に推移していると言えると思います。一方で、ではKinectが出たことで、すごくお客様が増えたのかということについて言いますと、同じ時期に、先ほどWiiのお客様が1000万人ぐらい増えているというデータをグラフでお見せしましたけれども、マイクロソフトさんの(お客様の)数の伸びというのはずっと小さいです。ですから、Kinectが出たことで急速に任天堂のWiiのマーケットが浸食されているだとか、今まではWiiで遊んでいたけれどもWiiを全く遊ばなくなって他機種に行ってしまったというようなことは、あまり起こっていないように私たちは感じています。もちろん、アメリカという国は複数のコンソール(ゲーム機本体)を家に置かれる方がたくさんいらっしゃいますので、Wiiのお客様の中にXbox360をお持ちのお客様はたくさんいらっしゃいますし、その逆もたくさんいらっしゃるので、当然、遊ぶ頻度などの点で一切影響がないと申し上げるつもりはありません。ただ、いわゆるKinect用のソフトというものの中で、次々と毎月ヒット作が生まれるというような状態にはなっておりませんので、私たちとしては、それほど大きな影響を受けているとは考えておりません。 |