株主・投資家向け情報

2011年4月26日(火)決算説明会
質疑応答
Q 10-1

 震災の影響でアルミコンデンサーの電解液が不足していたり、セラミックコンデンサーの電気炉が動かなくなって、調達が難しくなっている話を聞いたが、サプライチェーンに影響は出ていないのか。
 Wiiについては、サードパーティーの取り込みがうまくいかなかったと思う。国内と海外で分けると、国内はWiiの性能が低いと思われてしまい、なかなか開発してもらえなかったのではないか。海外の方ではHDではなかったというのが要因のように思うが、Mレーティング(アメリカで17歳以上対象のゲーム)などで、サードパーティーの取り込みがうまくいかなかったというのもあるのではないか。この辺りの現状認識を伺いたい。
 それに対して、Wiiの後継機は、サードパーティーの関係で、特に性能のところで誤解が生じてしまったという部分を挽回できるような仕組みになっているのか。その点についてコメントをいただきたい。

A 10-1

岩田:

 まず、サプライチェーンの問題です。私どもは、ほとんどの製造拠点は海外に置いております。また、ソフトについては国内でも作っているのですが、被災地から離れておりましたので、製造拠点が直接影響を受けたということはございません。しかし、当然世の中というのは、たくさんの部品や材料がつながっておりますので、サプライチェーンに一切影響がないなどということはあり得ないわけで、影響はございます。ただ、私たちは現状の製造計画に影響が出ないような手当てが大体できたと思っていまして、これから新たなことが起こらなければ、震災の影響で商品供給に大きな影響が出ることはないという前提で今回の計画を組んでおります。上期を保守的にみている背景は、今の日本の市場のムードであったり、あるいはニンテンドー3DSの立ち上げの状況であったり、あるいはわれわれが提案できるソフトであったり、あるいは3DSの価値がお客様に本当に理解されて広まっていくまでに要するであろう時間、DSの時は1年以上かかったのですが、それらを全部勘案しますと、上期に過剰に強気にはなれないということであのような計画にしました。サプライチェーン問題が影響しているわけではございません。
 それから、サードパーティーのソフトメーカーさんとの連携がDSではうまくいったのにWiiではうまくいかなかったとのご指摘についてです。「性能が」という話もあるのですが、「性能が」という意味で言えば、DSはどうだったのかというと、性能で他機種を圧倒したわけではなくて、他機種ができないことをDSは提案し、その価値が認められて、何より大事なのは、結果的にソフトが売れたということだと思っています。残念ながら、Wiiでサードパーティーさんが国内で大きく成功された事例が非常に少ないために、ソフトメーカーさんの開発意欲が失われてしまって、本来ソフトメーカーさんが普及したプラットフォームの中でビジネスをされるというサイクルを回すべき時期にそうならなかったということだと思います。それに対してアメリカでは、売れたゲームが複数生まれました。今日ご紹介した『JUST DANCE』以外にも『Guitar Hero』などもそうでしたが、マルチプラットフォームで展開してもWii版が一番売れるというものがいくつか出ていましたので、そういう状況になりますと、少なくとも全く開発意欲を失ってしまうということは起こらないわけです。ただ、得意な分野と得意ではない分野、特に『Call of Duty』のようなゲームはWii版でも相当数は売れているのですが、それでも他機種版と比べると販売数は大きく違うというのは、先ほどおっしゃったような表現力の問題があったと思いますし、また、そういうゲームを好まれるお客様は恐らくWiiだけではなくて他の機種も家庭にお持ちなので、結果としてそういうことになったと思います。
 当然、Wiiの後継機でソフトメーカーさんともうまくやりたいと思っていますし、先ほどから申し上げているとおり、任天堂一社ですべてを支えられるなどとは思っていません。市場を立ち上げる責任は私たちにありますけれども、任天堂だけで維持できるとは思っていませんということを申し上げていますから、ソフトメーカーさんに協力していただけるようにすることを目指します。ただ、「じゃあ性能はどうなのか」といった話は、具体的なお話はいたしませんと最初に宣言したとおりでございますので、なにとぞご容赦いただければと思います。

Q 10-2

 積極的にサードパーティーを取り込んでいく、という考え方でいいのか。

A 10-2

岩田:

 「サードパーティーの取り込み」という言葉は、私は自分の中ではあまり使っていないのですが、サードパーティーのみなさんに魅力を感じていただけるような市場を作りたいとは思っています。それが「取り込み」という表現になるのかもしれませんが、私は「取り込み」とか「囲い込み」という言い方が嫌いなので、そう言わないようにしています。


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