株主・投資家向け情報

2016年4月28日(木) 決算説明会
任天堂株式会社 社長 君島 達己

これらのアプリは、「2016年秋」の配信開始を目指しております。どちらも純粋なゲームアプリであり、『Miitomo』に比べると、より一層ゲーム的な要素が強く、お客様それぞれの楽しみ方ができ、当社のビジネスにも結びつくゲーム内容になる予定です。


一方の『Miitomo』では、まず、数多くのお客様に、当社のエンターテインメントに触れていただくことを優先しました。より深く楽しみたい方のために、ゲーム内で購入いただけるアイテムはございますが、それがなくても、『Miitomo』による新しいコミュニケーションの面白さは、十分に感じていただくことができる内容としております。その結果、世界各国に『Miitomo』を楽しんでいる方がおられ、現時点で、『Miitomo』は海外のユーザーが75%以上を占めております。今後、南米やアジア地域を含めたサービス開始を検討しており、この比率は一層高まることが予想されます。このことからも、任天堂のスマートデバイス事業が、世界を舞台として展開できていることが、ご理解いただけるのではないかと思います。『Miitomo』に続き、『ファイアーエムブレム』と『どうぶつの森』のIPを使ったアプリをグローバルに展開し、2017年3月末までに5タイトル程度をリリースする予定に変更はありません。


また、当社は『Miitomo』のリリースとともに「My Nintendo(マイニンテンドー)」という会員サービスを新たに開始しました。お客様は「ニンテンドーアカウント」という専用のアカウントを取得することで、「マイニンテンドー」のサービスを受けていただけます。


例えば、お客様は、『Miitomo』をプレイした結果によって「プラチナポイント」と呼ばれるポイントを手に入れ、そのポイントと交換することで、『Miitomo』のゲーム内で使えるアイテムやチケットを受け取ったり、Wii Uやニンテンドー3DSのソフトの割引クーポンをもらったり、といった、当社のさまざまなゲームに関する横断的なサービスを受けることができます。


『Miitomo』がグローバルでサービスを開始して以降、「マイニンテンドー」の会員数も順調に伸びております。今後、『ファイアーエムブレム』と『どうぶつの森』のIPを使った新たなアプリを配信していくことで、さらなる伸びを期待しております。


最後に、昨日開催の取締役会において決議いたしました、当社のコーポレート・ガバナンス体制の変更について、改めてお伝え致します。決議した事項は、「監査等 委員会設置会社へ移行する方針」 ならびに 「執行役員制度の導入」 でございます。
「監査等委員会設置会社」への移行のねらいにつきましては、過半数が社外取締役で構成される「監査等 委員会」を設置することにより、取締役会の監査・監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制を充実させることでございます。移行の時期につきましては、本年6月29日開催予定の第76期定時株主総会において、必要な定款変更等についてご承認いただき、「監査等 委員会設置会社」へ移行致します。
「執行役員制度」の導入のねらいにつきましては、 経営の意思決定および監督機能と、業務執行機能を分離させ、業務執行権限の委譲を推進することです。
これによって、業務執行における責任の所在を明確にするとともに、事業環境の急激な変化にも適切かつ迅速に対応できる、機動的な経営体制を構築してまいります。


本日のプレゼンテーションは以上です。
なお、今から約3時間前、米国任天堂取締役でもあるハワード・リンカーン米大リーグ球団シアトルマリナーズCEOが、米国任天堂が現在過半数を保有する球団オーナーシップの大半を別のオーナーの方達に売却する計画を球団のホームグラウンドであるセーフコフィールドにおいて発表いたしました。米国任天堂は同球団の10%のオーナーシップを保有し続け、残りをFirst Avenue Entertainment LLLPの他のメンバー、すなわち同球団の別のオーナーの方たちに、売却する方針で合意に達しております。First Avenue Entertainment LLLPはシアトルマリナーズを所有し、また、地元のスポーツ番組ネットワーク局であるROOT Sports NWの過半数の持ち分を保有する、リミテッドパートナーシップ組織です。この売却は正式な契約締結後大リーグによる承認を得る必要があり、成立は今年8月中を見込んでおります。また、契約成立時点で、ハワード・リンカーンはマリナーズCEO職を退任予定です。
ご存知の方も多いと思いますが、同球団がフロリダに移転する危機に直面していた1990年代初め、シアトル地域に本社をおく米国任天堂に地元から球団存続のための協力要請があり、米国でビジネスをさせていただいていることへの恩返しと米国任天堂が本社をおく地元への貢献のために当時社長であった山内が個人的に過半数オーナーシップを取得の上、1992年に球団の筆頭オーナーになりました。
山内は2013年に亡くなり、球団のオーナーシップは生前に米国任天堂に売却されることで球団が地元を離れることがないよう事前に配慮がなされておりましたが、その死後に任天堂株式会社社長および米国任天堂CEOとしてマリナーズを見守って来た前社長の岩田も昨年亡くなりました。そしてこの度ハワード・リンカーン球団CEOから、球団経営のリーダーシップ的業務を日々担う職からの退任希望が示され、今回の決定に至った次第です。
米国任天堂の会長であったハワードが17年の長きにわたり同球団の会長兼CEOとして、球団がシアトル地域にとどまり、そして地元の皆様からご支持いただける球団であり続けられるよう尽力し多大なる貢献をしてきたことを、私自身米国任天堂の社長そして会長職にあった際に間近に見ておりましたし、私が日本の任天堂株式会社に戻ってからも特に球団関連案件に関してはハワードを頼もしいパートナーとして関連業務を進めてまいりました。元社長の山内、前社長の岩田が亡くなり、この度ハワードより退任の意向が示されたのを受け、そして何よりも球団が今後もシアトル地域に存続し活躍できる状況にできる見通しも立ちましたので、既存の少数持ち分オーナーの方達に米国任天堂が保有する球団オーナーシップの一部を売却するための交渉を開始いたしました。
昨日公表いたしました通期業績予想には当該売却益を盛り込んでおりませんので、売却契約が成立した場合には金額が確定次第、必要に応じて業績予想修正等の適時開示を行います。なお契約交渉は、現在のFirst Avenue Entertainment LLLPの評価額を14億米ドルとして行います。
ハワード・リンカーンは球団CEO職を退任後も、米国任天堂取締役として、そして球団取締役として、シアトルマリナーズの経営に今後も引き続き関与いたしますが、私はハワードがこれまで任天堂並びにシアトルマリナーズの重責を長年にわたり担い、卓越した指導力を発揮して来られたことに対して、この場をお借りして感謝の意を表明させていただきます。

ありがとうございました。


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