7-1 | 御社のKPI(Key Performance Indicatorの略で、「重要経営指標」などと訳されている)について。御社のスマートデバイスビジネスにおいては「毎日どれだけの人が遊んでいるか」、つまりDAUが一番重要な指標だと理解していいのか。 |
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7-1 | 君島: いろいろな評価の仕方があると思いますが、「ずっと遊び続けていただける」ということは、それなりに魅力を持ったアプリであるという裏付けになると思います。これはDAUにつながるものではありますが、もちろん絶対値としてのDAUをどれだけ上げていくかということは大事ですが、「継続率」も重要になります。「継続率」が上がっていくことによってDAUがもちろん上がっていきますので、注視しています。これが高くなれば、アプリごとに違いはありますが、課金収入も変わってくると思います。 |
7-2 | 同じIPをスマートデバイスとゲーム専用機向けで展開する場合には、どういった指標が重要になってくるか。 |
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7-2 | 君島: ゲーム専用機向けでは、購入していただいた数量は、やはり一番重要だと思います。それともう1つは、購入していただいた数量だけではなくて、「そのあとどういうふうに遊んでいただいているか」も重要です。これはゲームそのものの評価という意味ではなく、「それがどう遊ばれていっているか」ということは、IPの将来の評価につながりますので、「購入していただいた数量」、ならびに「ハードも含めた稼働数」、そして「ゲームをどれだけ継続して遊んでいただいているか」は重要だと思います。これはゲーム専用機であっても、スマートデバイスのゲームであっても、両方同じだと考えています。 |
8 | NXが2017年3月発売になる要因として、ソフトの充実ということが挙げられていたが、ソフトの開発にはかなりの期間がかかると考えると、年末商戦を外す意義はあまりない気がする。過去の経営方針説明会で、ゲームキューブの発売が9月になった時に山内元社長が「年末商戦を外さないことが非常に肝要である」とおっしゃっていたことが印象に残っていて、岩田前社長も3DSを2月に発売したあと「クリスマス商戦を外したのは非常に問題だった」とおっしゃっていたと思う。君島さんの体制になってから『Miitomo』が年末を外し、NXも年末を外す形になっていて、従来の任天堂の考え方とは随分変わったという印象を受けているが、なぜNXの発売は3月なのか。考え方の変更があったのか。 |
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8 | 君島: 発売時期の考え方に変更はありません。ハード発売のタイミングは、発売した時に「お客様にきちんと遊んでいただけるソフトがどれだけあるか」が重要で、これによって発売時期を決めるべきものだと思います。ホリデーシーズンという時期にはお客様の使えるお金が増えるという点で、そのタイミングでスタートを切るというのも1つの大きな要素かもしれません。ただ、私たちのハード・ソフト一体型のビジネスというのは、その年だけで終わってしまうわけではなく、何年か遊び続けていただきたいものですので、最初に「きちんとしたものが出る」ということが一番大事だと思います。そういう意味では、発売時期について、「ホリデーシーズンという時期でないといけない」というようなことはなく、きちんとしたものを提供できる時期だと考えており、その点は変わっていないと思います。 |