世界観/ストーリー

バックグランドストーリー 後編

「どうもごきげんよう。」ビルの上に浮かぶ月を背景に、冷たく微笑む青年は、イサに礼儀正しく挨拶した。凍りつくほど端正だが、死人のように血色のないその顔はまるで仮面を思わせる。「私は、ツェンロン。G5の一人としてここに派遣されてきた。」G5のことは、イサも話を聞いたことがあった。第5亜地球を牛耳っていて、ヒトでありながら『神』の存在を認知し、気に入られようと擦り寄っているらしい。ヒトであることを捨て、ヒトを超えた戦闘力を手に入れた、たった5名からなる組織だという。どういうことだ。外宇宙生命体排除の命を受けたのは、自分だけではなかったというのか。「同志イサよ。」「『同志』だって?」イサは、ツェンロンをまっすぐ睨みつけたまま、否定の意味をこめて復唱する。

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