世界観/ストーリー

バックグランドストーリー 後編

操られているのか、考えがあってのことなのか。それとも…」ツェンロンは、薄いくちびるを、にやぁとゆがませる。「お前も化け物だからかな。」イサの心臓が鼓動を止め、汗がどっと噴き出す。極限まで見開かれた両目でツェンロンを睨みつける。ふと気付くと、イサはツェンロンの胸倉をつかみあげていた。自分でもどうやってこんなに間合いをつめたのか、一瞬前まで20メートルはあった両者の距離をどうやって移動したのか、思い出せなかった。ツェンロンにもわからなかったらしく、その能面のような顔に驚いた表情を浮かべていた。まるで瞬間移動でもしたかのようだ。「そう、その化け物の力。」ツェンロンはまた余裕の表情にもどって続ける。「だまれ…」

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