世界観/ストーリー

バックグランドストーリー 後編

そのせいで、ヒトを超える能力に目覚めたこと。その両親の間に生まれた自分にもどうやらその力があるらしいこと。時々、自分が自分でなくなるような気がして、ひどく恐ろしいということ。この特異な能力のおかげで、長年、期待と疑惑の目を向けられ続けたこと。そして、今回その忠誠心の試しのために、カチを抹殺する命を受けてこの地球にやってきたこと。話し終わってからも、長い間カチは黙り込んでいた。そして、イサがその沈黙に耐え切れなくなったころ、ようやく口を開いた。「私を信じちゃダメじゃない。」うつむいてつぶやく。「私は、『聖女』の側なんだから…。」カチの言葉に、イサは首を振る。もう、怪我は動けるまでに回復していた。確かに、カチは聖女の側だ。外宇宙生命体だ。だが、イサはカチの中に『ヒトらしさ』を見ていたし、それを信じたいと願っていた。

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